『北斗の拳』武内駿輔の“ケンシロウの役作り”に下野紘が驚嘆 「研究熱心すぎるわ……」

『北斗の拳』武内駿輔の役作りに下野紘驚き

 不朽の名作『北斗の拳』が、最新のアニメーション技術によって再び幕を開ける。アニメ『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』(以下、『北斗の拳』)で主人公・ケンシロウを演じる武内駿輔と、スピンオフコメディ『北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌』(以下、『ザコ挽』)で「ザコ視点」から世紀末を切り取る下野紘。武内が10代の頃からの付き合いだという二人が、互いへのリスペクトと、作品に懸ける並々ならぬ情熱を語り合った。

 歴代ケンシロウの声を網羅的にリサーチし尽くした武内の情熱には、先輩の下野も困惑。実は「レイに憧れていた」と明かす武内の深い原作愛や、名作を100年先へ伝えるためのリブートの意義など、本作をより深く楽しむためのエッセンスを明かす。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

下野紘×武内駿輔、『北斗の拳』“ザコたち”の魅力語り合う 「ポップに死にすぎなんだよ」

『北斗の拳』スピンオフ『ザコ挽』の下野紘と本編リメイクでケンシロウ役の武内駿輔が対談。役作りの裏話や作品への敬意、世紀末の食糧事…

武内駿輔×下野紘の交友関係

——お二人は今まで何回か共演したことがあると思いますが、どれくらいの交流がありますか?

武内駿輔(以下、武内):どれくらいでしょうね。手を握ったことはないですもんね。

下野紘(以下、下野):(笑)。でもわりとコンスタントに会っているよね。一番最初は『ダイヤのA』で、武内くんはまだ10代じゃなかったっけ? 今とは全然風貌が違う。

——今日はケンシロウというよりサウザーに近いですよね。

武内駿輔

武内:そうなんですよ。聖帝になっちゃった。オンエア控えてるのに。下野さんは僕の中では気兼ねなく話にいっても返してくださる、よく付き合ってくださる先輩だと勝手に思っています。学生時代は下野さんが出演されていた作品はたくさん観ていましたし。

下野:あら、ありがたい。

武内:最初にお会いできたとき「うわー、下野さんだ……!」と感動しました。下野さんは作品によってはずっとフルスロットルで叫んだり泣いたりしていますが、聴いていてしんどくならないんです。いつも和やかなイメージで、あれはいったいどうやって出しているのか……。

下野:僕は武内くんの低音ボイスが本当に羨ましくて。

武内:いやいや。

下野紘

下野:自分にもそういう武器があったらもっと違う演技ができたかもしれないなとか、そういうことは考えたりします。しかも10代の頃からこの声だから「すげーなぁ……」と思って。

武内:ありがとうございます。

下野:さらにいえば、それこそ10代の頃、若手は自分の中で考えている声優像とは違うこともいろいろやる時期もあると思うんだけど、武内くんは声優として自由にやれるようになってからのほうが、幅広い声の使い分けだったり雰囲気の作り方だったり、結構アグレッシブな感情の動き方をする仕事をしている。でも単に感情的になっているんじゃなくて、全部そのとき自分が出した声とか、フィジカルな部分だったり、メンタルの部分だったり、そういうことを全部考えたうえでいろいろと緻密に分析して行われているものなんだってわかった。一緒に出演した『鎧真伝サムライトルーパー』の現場で、他の同年代の共演者たちと話しているときに聞こえてくるワードがすごく細かいんです。ただの声マネじゃなくて、「こういう声を出すためには身体をこういうふうに使うから、こういう喉の使い方をしたり、息の出し方したり……」とか繊細に話していて。自分の芝居に生かすための研究をしっかりしていて、「声優が好きなんだなぁ」ってすごく思います。

武内駿輔は「研究しすぎ」?

(左から)下野紘、武内駿輔

——武内さんはケンシロウを演じるにあたって、過去作などは参考にされましたか?

武内:まずは原哲夫先生が抱いているキャラクターイメージを中心に考えたかもしれません。原先生の中ではケンシロウを描くにあたって松田優作さんのイメージが強くあったらしく、逆にブルース・リーはあくまでアイデアとしての側面が大きいと。人物像的には松田さんだということで、やっぱり原作漫画を読んでいてもケンシロウの所作には確かに通ずるものを感じますし、松田さんの映画をいろいろと観て研究していました。ただブルース・リーの映画も、特に吹き替え版を中心に可能な限り観直しています。アニメ版でいうと映画『真救世主伝説 北斗の拳』シリーズはすごく参考にさせていただきました。もちろん初代TVアニメ『北斗の拳』、ゲーム『北斗無双』シリーズ、『北斗が如く』、遊技機版のケンシロウなども、それぞれの違いを感じながら聴き込んでいましたね。

下野:……研究しすぎだよ……。すげーよ(笑)。本当に貪欲だよね。

武内:あとは海外版のボイスアクターの方も。

下野:そんなのもあるんだ。

武内駿輔

武内:原作サイドからは「武内さんなりの“あたたた”をお願いします」と言われていて、理想的な“あたたた”が原先生の中ではあるらしく、そこに近づけるよう努力していました。

下野:その話、『ザコ挽』とのコラボで話すのはもったいないよ(笑)。

武内:いやいや、話せるときに話しますよ。

下野:もっと『北斗の拳』単体の企画とかで話したほうがいいよ……(笑)。

武内:まあこういう形で今までのバージョンは一応全部チェックしました。

下野:研究熱心すぎるわ……。すげえわ。

——やはり声優さんは関連作品のリサーチをここまで徹底するものなんですね。

下野:そんなにしない(笑)! そんなにしないです。もちろん、それこそリメイクだったり、同じキャラクターでも幼少期、逆に成長した姿を演じるといったときにはその役の方を意識したりはしますが、ここまで網羅するのは……。

武内:僕は下野さんと違ってまだ時間がたくさんあるので。

下野:そんなことないでしょ。

下野紘

武内:「この人のベスト“あたたた”はこれだな」とか全部記録していたら、一時期iPhoneがそれでいっぱいになっちゃって。もっといえば、ケンシロウじゃない“あたたた”も分析していて。

下野:それはさすがにいらなくね?

武内:ゲーム版で登場するキャラクターとかの“アチョー系”の声も集めて、そいつらの海外版の声も聴いていて。「なるほど、1秒間にこれくらい言ってるんだ」「だいたいこれくらいのスピード感で言ったら遅いと思われないはず」とかを考えていました。

下野:研究熱心すぎるよ……。もうレポート書けるよ(笑)。

武内:そんな感じで取り組んでいます。こちらはまだ終わっていませんから、取り組み続けています。

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