八木莉可子の最大の魅力は“主人公力”にあり 『森英恵』で増やす新たな引き出し

八木莉可子の魅力は“主人公力”にあり

 また、わたしが大好きなドラマ『おとなりに銀河』(NHK総合)にも、八木はヒロインとして出演していた。同作は、売れない漫画家・久我(佐野勇斗)と、流星の民の姫であるしおり(八木莉可子)が、“婚姻関係の契り”を結んだところから始まるSFラブコメディ。改めてあらすじを振り返ってみても、かなり無理のある設定だ。そもそも、「流れ星の民の姫とは……?」と思う人が多いだろう。

 その非現実的すぎる設定に説得力を与えていたのが、八木の“雰囲気”だった。普段から、周囲とは“何か”が違うと思わせる独特な雰囲気を纏っている彼女が演じていたからこそ、しおりというキャラクターのことも自然に受け入れることができたのだと思う。「ああ、たしかに流れ星の民の姫っぽいな」というように。

 その一方で、『GTOリバイバル』(カンテレ・フジテレビ系)では、クラス内では優等生を演じているものの、心に闇を抱えている女子高生・すずかを演じるなど、現実的でリアルな役柄にも違和感なく溶け込むことができる。かと思えば、『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』(日本テレビ系)では、ゴリゴリのアクションに挑戦していたり……。その振り幅の広さには、驚かされるばかりだ。

 そんな彼女が、3月21日放送のテレビ朝日ドラマプレミアム『森英恵 Butterfly beyond』で、主人公・森英恵を演じる。同作は、日本人として初めてパリのオートクチュール組合の会員となったファッションデザイナー・森英恵さんの生誕100周年を記念して、“知られざる青春時代の物語”をドラマ化したもの。“陽”のイメージが強い森さんと、“影”を纏った役柄が多かった八木は、対照的にも思える。

 しかし、そのギャップこそが、今回の配役の面白さでもある。内に秘めた強さや、静かな覚悟をにじませる八木の表現は、森英恵という人物の芯を、より立体的に浮かび上がらせてくれるはずだ。また、これまでさまざまな作品で見せてきた“振り幅”を考えれば、この挑戦も決して意外なものではない。

 むしろ、どのように憑依してくるのか――八木莉可子が、新たな引き出しを増やす瞬間を、きっと目の当たりにすることになるのだろう。

■放送情報
テレビ朝日ドラマプレミアム『森英恵 Butterfly beyond』
テレビ朝日系にて、 3月21日(土)21:00~放送
出演:八木莉可子、中島裕翔、茅島みずき、荒木飛羽、清水くるみ、杏花、森崎ウィン、富田望生、前原瑞樹、尾上右近、安井順平、木村佳乃、仲村トオル
脚本:山本むつみ
監督:竹園元(テレビ朝日)
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:神田エミイ亜希子(テレビ朝日)、山形亮介(テレビ朝日)、山田勇人(ザ・ワークス)、梶原建太(ザ・ワークス)
音楽:服部隆之
制作協力:ザ・ワークス
制作著作:テレビ朝日
©︎テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/morihanae_butterfly_beyond/
公式X(旧Twitter):https://x.com/mori_b_beyond
公式Instagram:https://www.instagram.com/mori_b_beyond/

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