『ばけばけ』で存在感を高めた4人の俳優 円井わん、濱正悟、杉田雷麟、野内まるの躍進

『ばけばけ』で存在感を高めた4人の俳優

 あらゆるエンターテインメント作品の中で、「朝ドラ」というのはもっとも視聴者層が幅広い。毎日放送されるのだから、人々の目に触れる機会はそれだけ多くなる。そしてこの「朝ドラ」に俳優たちが刻む好演が、また次なる作品に出演するきっかけにもなっていく。

 残すところあと少しとなった『ばけばけ』(NHK総合)にも、じつにさまざまな俳優たちの好演が刻まれた。ヒロイン・トキを演じる髙石あかりだけではない。ヘブン/八雲(トミー・バストウ)の親愛なる友である、錦織友一という人間の魂までも表現した吉沢亮の演技には、かなり鬼気迫るものがあった。

 ここでは、トキとヘブン/八雲の日常をより豊かなものにする人々を演じた、円井わん、濱正悟、杉田雷麟、野内まるの存在を振り返ってみたい。

円井わん(サワ役)

 トキの幼なじみであるサワを演じた円井わんは、このドラマをはじまりから支えてきた俳優だ。サワはトキと同じく貧しい家庭の生まれで、ふたりはずっと苦楽をともにしてきた。しかし、トキがヘブン/八雲と結ばれたことにより、彼女らの間には溝ができてしまった。円井ははじまりからカラッとした演技でサワを体現し続けていたものだが、あの一連の流れの中で表現した“内なる葛藤”が見事だっただろう。発する言葉は淡々としているが、その表情からはどこか無理をしているのが分かる。円井が立ち上げたサワというキャラクターは、たんなる“幼なじみ役”にとどまるものではなかったのである。彼女の存在が、『ばけばけ』の世界をより深く濃いものにしたのだ。

濱正悟(庄田多吉役)

 そんなサワの物語に関わってきたのが、濱正悟が演じる庄田多吉だ。濱といえば『舞いあがれ!』(2022年度後期/NHK総合)でヒロインの航空学校の同期という重要な役どころを担っていたことが記憶に新しいが、今作でもまた、大切なポジションをまっとうすることとなった。サワの前に現れた多吉は、まさに“好男子”といえる人物。物腰が柔らかく、とても誠実だ。円井とのかけ合いは初々しくて愛らしく、濱の表現する優しさと温かさが、サワの頑なな心をほぐしていく。彼の存在があってこそ、円井の演技も輝いたのだといえるだろう。サワと多吉が結ばれて、本当によかった……。

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