『教場』『リブート』『再会』にも“クセつよキャラ”が 令和ドラマが描く警察像を紐解く

また、奇抜な行動で耳目を集めているのが、『再会~Silent Truth~』(テレビ朝日系)で主人公の飛奈(竹内涼真)とバディを組む神奈川県警捜査一課の刑事・南良(江口のりこ)だ。小学生のときに埋めた拳銃の秘密を共有した4人の同級生たちのヒューマンラブミステリーが描かれる本作において、南良は彼らの秘密を暴く側の人間だ。

ただ、冷徹な捜査で4人を追い詰めるというよりは、独自のやり方で事件の真実に迫る彼女の挙動はコミカルに描かれている。それがかえって不気味ではあるのだが、飄々として何を考えているのかわからない彼女の存在が、登場人物たちの心を波立たせていた。さらに、南良は23年前に起きた事件現場で、当時小学生だった飛奈が銀行強盗犯を射殺したことを把握しながらも、上層部には知らせずに秘匿する道を選んだ。しかも、それは飛奈に対する温情ではなく、彼から理由を問われた際には「あの事件はまだ終わっていないからです」と淡々と答えた。普通なら飛奈の過去は組織で共有するべき情報のはずで、県警一の変わり者と称される南良も、警察組織とは異なる正義を持つキャラクターといえるだろう。それはつまり、真北や南良のように正攻法ではない奇策を取らなければ、真実を暴くことができない計画的な組織犯罪や迷宮入りしてしまう事件が存在していることを意味する。

インターネット環境が整備され、SNSの登場によって匿名で不特定多数の人々がつながることができる令和の時代において、罪を犯した者を見つけ出そうとするのは警察だけに限らない。ドラマ『東京P.D. 警視庁広報2係』(フジテレビ系)の第5話では、警察が被疑者として追っていた連続殺人事件の犯人と思しき男の個人名と顔写真がネット上に晒され、SNSアカウントから家族の身元までもが拡散された。真偽不明の情報に飛びついて、安全な立場から無責任に糾弾する私刑意識の危うさと恐ろしさが、本エピソードを通してあらためて浮き彫りになった。
現代では多様な警察像が描かれているが、昔から刑事ドラマには個性的な刑事が多く登場しており、『太陽にほえろ!』(日本テレビ系)や『相棒』シリーズ(テレビ朝日系)が長年にわたって視聴者に愛されている理由の一端でもあった。さらに、1997年に放送が開始されたドラマ『踊る大捜査線』(フジテレビ系)の登場によって、警察内部の権力争いや所轄と警視庁の管轄の違いなど、現実を反映したリアリティのある描写もドラマに盛り込まれるようになった。情熱的で市民を守るためには命令に背くこともいとわない青島(織田裕二)のような、人間味溢れる刑事にどこか惹かれてしまうのは、勧善懲悪の王道刑事ドラマだけではなくなった現代においても変わらないだろう。
「警察=正義」という単純な公式ではなく、それぞれが自身の考える正義を軸にして事件と向き合う。組織に属しながらも、己が信じる信念に従って柔軟に行動する。2026年冬ドラマが次々と佳境を迎えるなか、一風変わった警察官たちの予期せぬ行動にも目を光らせたい。
参照
※ https://x.com/kazamakyojo/status/2027242357436113199






















