『ロビー!』はただのコメディ映画ではない “監督”ハ・ジョンウが引き出す俳優たちの名演

コメディだけではない『ロビー!』の魅力

 だが、こうした「かけひき」は、必要なときもあるが、それに溺れると自滅する可能性もある。『キングメーカー』も『ロビー』も、そこに溺れるのは危険なことであるということも、同時に描いているのである。

 こう書くと、社会的な映画に思えるかもしれない(そういう視点で観に行きたくなることも大いにありな映画だと思う!)が、もちろんコメディ映画として、思わず笑ってしまう要素も随所にちりばめられている。その部分は、多彩な俳優たちの演技によるものだろう。

 まず、主人公のチャンウクを演じたハ・ジョンウは、実話を元にした重厚なポリティカルフィクション『1987、ある闘いの真実』や、凄惨なノワール『チェイサー』などのイメージが強いかもしれない。しかし、本作では、接待ゴルフを成功させないといけないのに、接待相手の室長そっちのけで、好プレイを連発してしまうようなキャラクターである。

 接待される室長に見覚えがあると思ったら、あの『新感染 ファイナル・エクスプレス』で最後の最後まで、身勝手な悪役を演じたキム・ウィソンが演じていた。今回も、『新感染』とも違った、悪辣な役がハマっている。

 また、その室長の妻で、スマート事業の入札の決定権を握るチョ長官を演じたのは、『チャンシルさんには福が多いね』でヒロインを演じたカン・マルグムだ。『チャンシルさん』では、職を失った元映画プロデューサーを淡々としたトーンでコミカルに演じていたが、今回はまったく違った汚職政治家という役をこれまたコミカルに演じている。

 チョ長官を接待するチャンウクのライバル「ソン・ブラザーズ」の社長ソン・グァンウを演じたのはパク・ビョンウン。彼は『哀しき獣』『暗殺』『悪いやつら』という、ハ・ジョンウの代表作とも言える作品で共演してきた俳優である。

 個人的に、2026年、最も気になる俳優であるパク・ヘスやイ・ドンフィの活躍も見逃せないし、チャンウクの甥であり、謎の能力を発揮するインターンを演じた新人オム・ハヌルにも注目したい。彼が俳優であり監督で、『君と僕の5分』という監督作が高い評価を得ていると聞いて、このインパクトある演技にも大いに納得してしまった。

 このほか、ドラマなどでも活躍しているSUPER JUNIORのシウォンも国民的な俳優という役で笑わせてくれる。

 この俳優陣の層の厚さを見ただけでも、ハ・ジョンウの監督としての目の確かさを感じるが、それだけでなく、これだけの達者な面々を自身の映画に引っ張り込み、そして適材適所でその演技力を引き出してしまう能力を見て、彼こそが「ロビイング」に必要な要素を持っている人なのではないかと思わされてしまった!

■公開情報
『ロビー! 4000億円を懸けた仁義なき18ホール』
2月27日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開
出演:ハ・ジョンウ、キム・ウィソン、カン・ヘリム、イ・ドンフィ、パク・ビョンウン、カン・マルグム、チェ・シウォン、チャ・ジュヨン、パク・ヘス、クァク・ソニョン
監督:ハ・ジョンウ
脚本:キム・ギョンチャン、ハ・ジョンウ
提供:KDDI
配給:日活/KDDI
2025年/韓国/韓国語/106分/シネスコープ/5.1ch/カラー/英題:Lobby/日本語字幕:福留友子/映倫:G
©2025 MICHIGAN Venture Capital, WYSWYG Studio, WALKHOUSECOMPANY& FILMMOMENTUM,All Rights Reserved
公式サイト:https://lobby-movie.jp/

【Pontaパス会員ならお得に『ロビー!』が鑑賞できる!】
『ロビー! 4000億円を懸けた仁義なき18ホール』はPontaパス会員なら平日・土日祝日いつでも料金1,100円(税込)で鑑賞できる「推しトク映画」。
1クーポンにつき2名までが利用可能。

対象:Pontaパス会員
料金:一般1,100円(税込)、高校生以下900円(税込)
利用人数:1クーポンにつき2名様まで
対象劇場:対象劇場:シネマート、ローソン・ユナイテッドシネマ/ユナイテッド・シネマ/シネプレックス、キノシネマ
※一部劇場では、高校生以下の料金が異なる。
※本作上映期間中は土日祝日含むいつでも利用可能。

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「作品評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる