『ばけばけ』集大成の“1話ワンシーン” 異色のセリフ「だらくそが」を使用した撮影秘話も

第70話のラストでは、司之介(岡部たかし)が三之丞に「だらくそが」と叫ぶように勧め、最終的にはフミの提案によって、家族全員が揃って声を上げることになる。
“だらくそ”には標準語で“バカ者”といった意味があるが、この言葉選びについて橋爪は「脚本のふじき(みつ彦)さんは松江生まれで、お母さまも松江の言葉を話される方。ご本人が出雲弁を完璧に喋れるわけではないけれど、台本は最初から出雲弁で書かれていて、ふじきさんとは親和性があったんです」と語る。
「家族のあり方という大きなテーマが一気に回収されるシーンですが、そこを重々しく描くのは、このドラマのテイストじゃないよねとふじきさんとも話していて。人生にはいろいろあるけれど、最後はカラッと受け止めるというのが『ばけばけ』の作り方であり、ふじきさんの脚本の書き方。その中で、彼が選んだ言葉が“だらくそが”だったのかなと思います」(橋爪)
さらに、「(蛇と蛙を演じる)阿佐ヶ谷姉妹のセリフにも『祝いの席には決してふさわしくない言葉』とありましたが、似つかわないからこそ、心の中のことをすべて吐き出せる。本当に心に染みる言葉になっているかなと思います」と続け、村橋も「すごく人間の本質をついている」と共感する。

「トキの人生は、普通だったら見ていられないほどしんどいんですよね。だからこそ、存在のないものに向かって『バカヤロー』と言ってみる。行き場のないものに何かをぶつけるって、それだけで救われることがあるよね、と。それはあの場にいる家族だけじゃなくて、今を生きている僕たちにも通じる感覚だと思います」(村橋)
なお、「だらくそが」と叫んだあとには、司之介と三之丞が追いかけっこをする様子も描かれるが、これは村橋の演出によるもの。
「最後に、久しぶりに笑う三之丞を見たタエを撮りたかったし、そんな家族を見て笑っているヘブンとトキも撮りたかった。岡部さんに『三之丞の耳元で「だらくそ」と言ってみてください』とお願いしたところ、自然とああいう芝居になって、みんなでそれを楽しげに見ている流れになりました」(村橋)
トキとヘブンが正式に結ばれ、物語は新たなフェーズへ。この先2人にどんな日々が待っているのか、楽しみに見守りたい。
■放送情報
2025年度後期 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:髙石あかり、トミー・バストウ、吉沢亮、岡部たかし、池脇千鶴、小日向文世、寛一郎、円井わん、さとうほなみ、佐野史郎、北川景子、シャーロット・ケイト・フォックス
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
写真提供=NHK























