宇野維正の映画興行分析
『ズートピア2』記録的スピードで100億突破 サプライズヒットなしの正月興行

2026年最初の週末動員ランキングは、『ズートピア2』が1月2日から4日の3日間で動員76万6000人、興収10億5600万円をあげて、5週連続で1位。興収の前週比は91%と正月興行ならではの上乗せはなかったが、公開からちょうど1ヶ月、31日間の累計動員は784万5200人、累計興収は107億1900万円と、圧倒的な強さを見せている。昨年からの『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(公開から171日間の累計興収389億円)や『国宝』(公開から213日間の累計興収188億5900万円)の異次元興行のせいで麻痺しがちだが、今回の『スートピア2』の公開から30日間での興収100億円突破というのは、海外アニメーション作品としては『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(31日間)や『アナと雪の女王』(37日間)を更新する大記録。最終的には、歴代興収トップ10入り、つまり興収200億円前後の特大ヒットとなる可能性もでてきた。
というのも、1月は月末30日公開の『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』まで初登場1位を狙えそうな作品の公開がなく、また同作も『ズートピア2』と競合するような作品ではないからだ。そして、その状況は2月に入ってからもしばらく続く。
シネコンの賑わい的には『ズートピア2』のおかげでなんとかなったものの、改めて、2026年の正月興行はサプライズヒット皆無の低調な1年の始まりだったと言える。この悪い流れは、正月興行の手前で事実上息絶えてしまった『果てしなきスカーレット』から始まったとも言えるし(公開から45日間の累計興収6億2000万円)、テレビドラマ映画以外の実写日本映画としてある程度のヒットが期待されていたはずの『新解釈・幕末伝』(公開から17日間の累計興収8億700万円)の不発の影響も大きいだろう。前回のコラムでは公開7ヶ月目となる『国宝』の正月興行に期待を寄せたが、順位こそ2ランクアップしたものの、1月2日から4日の3日間の動員は16万3000人、興収は2億4300万円とさすがに巻き返しの幅も限定的なものだった。数年前にも指摘したが、正月のレクリエーションとして、映画館に行くのはもう有力な選択肢ではなくなっているのかもしれない。
■公開情報
『ズートピア2』
全国公開中
声の出演:ジニファー・グッドウィン、ジェイソン・ベイトマン、キー・ホイ・クァン、フォーチュン・フィームスター
日本版声優:上戸彩、森川智之、下野紘、江口のりこ、山田涼介、梅沢富美男、三宅健太、Dream Ami、髙嶋政宏、水樹奈々、柄本明、高橋茂雄(サバンナ)、熊元プロレス(紅しょうが)、高木渉、山路和弘、ジャンボたかお(レインボー)
監督:ジャレド・ブッシュ、バイロン・ハワード
プロデューサー:イヴェット・メリノ
オリジナル・サウンドトラック:ウォルト・ディズニー・レコード
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
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