2026年正月興行、独り勝ち『ズートピア2』の対抗馬は7ヶ月前に公開された『国宝』

正月興行『ズートピア2』の対抗馬は『国宝』

 2025年最後の週末動員ランキングは、『ズートピア2』が週末3日間で動員85万2000人、興収11億5900万円をあげて4週連続1位に。公開から24日間の累計動員は586万8800人、累計興収は81億1700万円。公開4週目に入ったばかりのタイミングで、早くも2016年公開の前作『ズートピア』の興収76.3億円を上回った。

 初登場作品はテレビドラマの映画化作品が2作。2位に初登場したのは、当初は2022年6月の公開予定だったものの、劇中に類似の展開があった安倍晋三元首相銃撃事件を受けて最初の公開延期、さらに首相役を演じていた市川猿之助が関係する事件を受けての二度目の公開延期を経て、同役に石丸幹二をリキャストして再撮影をおこなってようやく公開に漕ぎつけた劇場版『緊急取調室 THE FINAL』。オープニング3日間の動員は17万4000人、興収は2億4400万円。4位に初登場したのは、12月24日(水)から公開されている『映画ラストマン ‐FIRST LOVE-』。オープニング5日間の動員は23万人、興収は約3億円。正月映画としては明らかに物足りない両作の初動成績を受けて、本コラムでこれまで触れてきた通り、2026年の正月興行は『ズートピア2』の独り勝ちとなることが確定した。

 さすがに単週で『ズートピア2』の成績を上回ることはないだろうが、2026年の正月興行でその対抗馬となるのは、テレビドラマ映画の劇場版『緊急取調室 THE FINAL』や『映画ラストマン ‐FIRST LOVE-』でもなく、実写洋画で孤軍奮闘している『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』でもなく、各メディアの年末の1年振り返りで再三話題にあがっている、約7ヶ月前に公開されたにもかかわらず先週末6位にまたランクアップしている『国宝』となる見込みだ。既に動員1300万人、興収183億円を突破している同作だが、米アカデミー賞国際映画賞ノミネートや興収200億円の大台超えに向けてにわかに国内外のキャンペーン活動も活発になっていて、他の正月映画の不甲斐なさもあってここにきて上映スクリーンも再び増加傾向にある。

 大台超えのトピックとしては、先週末8位の劇場版『チェンソーマン レゼ篇』も年内に興収100億円を突破することが確実。NHKの紅白歌合戦でも米津玄師が主題歌「IRIS OUT」をテレビ初披露することが決定、『国宝』同様に正月興行ならではのメディアブースト効果が最大限発揮されるかもしれない。

『今週の映画ランキング』(興行通信社):https://www.kogyotsushin.com/archives/weekend/

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「映画興行分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる