timelesz 寺西拓人、声優初挑戦で向き合った“瞬発力”の芝居 「かなり刺激的でした」

timelesz 寺西拓人、声優初挑戦で得た手応え

“別ジャンルの芝居”だと感じた声だけの芝居

ーー今回、河森監督は寺西さんの舞台経験にも注目してキャスティングされたとコメントされていました。舞台で培ったものが活きたと感じた部分はありますか?

寺西:声だけとはいえ、役を演じるという点は同じなので、これまでやってきたことが無駄になることはなかったと思います。ただ、アフレコはテンポや間があらかじめ決まっていたり、口の動きに合わせたりと、舞台や映像とは勝手がまったく違う部分が多く、別ジャンルのお芝居だなと感じました。

ーー実際にご一緒してみて、河森監督の印象はいかがでしたか?

寺西:物腰が柔らかく、とても優しい方でした。一方で、つくられる作品は振り切れていて、そのギャップがすごく印象的でした。僕がかなり緊張していたこともあって、監督がずっと褒めてくださったんです。場を温めるためでもあり、僕を乗せるためでもあったと思うんですが、あれだけ褒めていただけたのは本当にありがたかったです。

ーー本作では横浜がスマホの迷宮として描かれています。「スマホに閉じ込められる」「もう1人の自分が現れる」といった要素が物語の核になっていますが、こういったテーマはどのように受け止められましたか?

寺西:僕は神奈川出身なので、見慣れた景色がたくさん出てきて親しみがありました。よく行っていた場所が、ああいう形で異世界のように表現されるのは、新鮮で面白かったです。まさに河森さんらしい“ぶっ飛んだ描き方”だと思いました。そして、現代を生きる人にはすごく刺さるテーマだなと感じました。スマホには個人情報が詰まっていて、もう1人の自分がいるようにも思えるし、SNSで誰かと比べてしまうのも、今まさに多くの人が抱えている問題だと思います。そうした現代性が物語にしっかり織り込まれていて、読みながら考えさせられました。

ーー寺西さんご自身も、ある意味“バズ”が重視される世界にいるように思います。

寺西:僕は「これでバズりたい」みたいに狙って動くタイプではなくて。ただ、この業界ではそれが大事な側面は確かにあるなと思います。そういう意味でも作品が描く世界は身近だと感じました。考えさせられるところが多かったです。

ーー作中では、インフルエンサーに憧れる若者や、影響力に翻弄される人々が描かれています。その中で、主人公・栞というキャラクターをどのように捉えましたか?

寺西:すごくリアルな子だと思いました。なりたい理想があるけれど自分とのギャップに悩んでしまったり、消したい過去があったり。誰もが共感できる要素を持っているんじゃないかなと。大きな出来事じゃなくても、「あのときこう言えばよかった」「こうすべきだった」と思う瞬間って、みんなありますよね。栞の迷いや葛藤は、そうした感情にすごく近いと感じました。

ーー声優初挑戦ということで、表現の幅が広がったと感じた瞬間はありましたか?

寺西:傑は、弱さや卑屈さを見せるところから、徐々に自信を持ち、最終的には人を利用するような面まで、さまざまな側面を持つキャラクターです。ひとつの役の中で幅広く演じられたこともそうですし、バトルシーンで技名を叫ぶのは人生初でした。今回の経験は、本当に大きかったです。

■公開情報
『迷宮のしおり』
2026年1月1日(木)公開
キャスト:SUZUKA(新しい学校のリーダーズ)、原田泰造、伊東蒼、齋藤潤、、速水奨、坂本真綾、杉田智和、寺西拓人(timelesz)
監督:河森正治
原作:スロウカーブ、Vector Vision、ギャガ、フジテレビジョン
キャラクターデザイン:江端里沙
脚本:橋本太知
アニメーション制作:サンジゲン
企画・プロデュース:スロウカーブ
主題歌:新しい学校のリーダーズ「Sailor, Sail On」
配給:ギャガ
©『迷宮のしおり』製作委員会
公式サイト:https://gaga.ne.jp/meikyu-shiori/ 
公式X(旧Twitter):@meikyu_shiori

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