『良いこと悪いこと』すでに“博士”は登場している? 「アゲハ蝶」が1番から2番へシフト

 『良いこと悪いこと』(日本テレビ系)は11月22日に放送の第7話から“最終章”へ突入し、オープニングのポルノグラフィティの「アゲハ蝶」も1番から2番へとシフトしている。これはドラマ全体の流れが大きく変わることを示唆しているとも取れるし、なにより現時点で犯人の最有力候補のひとりである7人目=“博士”へと急接近するとなれば、物語がクライマックスに差し掛かっていることは明白だろう。

 しかしながら、全10話で組まれているこのドラマ。今回を入れてあと4回(次週は放送が休止のようだ)となれば、まだ一捻りあっても何ら不思議なことではない。ましてやミステリーの鉄則として、いくら伏線になるようなものが多数ちりばめられていたとしても、“まだ登場していない人物”が犯人というオチではさすがに格好がつかないのだが。

 “博士”と会う約束をし、ナイフを持って家を空けた羽立(森優作)。一方、羽立と連絡が取れなくなった高木(間宮祥太朗)と小山(森本慎太郎)は、園子(新木優子)と共に大谷(赤間麻里子)の葬儀へ向かう。そこで同級生のゆき(剛力彩芽)と豊川(稲葉友)から協力を持ちかけられるが、巻き込みたくないという思いから突き放す高木。後日、羽立の家に忍び込んだ小山は羽立が小学校時代に使っていたガラケーを発見。そこでようやく、自分たちが“6人組”ではなく“7人組”であったことを思い出すのである。

 森という名の、みんなの記憶のなかから完全に欠落した同級生の存在。6年生の途中で引っ越してしまったとはいえ、当時つるんでいた仲間のことをそんなに綺麗さっぱり忘れるものかということは気になるが、一旦それは置いておくとしよう。森という同級生がいたことを思い出した高木たち3人とゆきと豊川は、掲示板サイトに残った羽立と森のやりとりをもとに、6年生の時に校外学習で行った場所へと向かい、森と思しき人物を追いかけるもあえなく逃してしまう。

 ここで反復される、豊川→ゆき→小山→高木という6年生の時の最後の運動会のリレーの順番。当時、勝負に敗れた後に高木が口にした「次は絶対勝つ」という無茶な願望が、「次は絶対(森を)つかまえる」という実現可能性の高いものへと変わり、ゆきと豊川が高木たちの“仲間”となったことが証明される。とはいえその直後、羽立が襲われて仲間が一人減ってしまうことになるのだが。

 その羽立は、「僕のせいだから」とつぶやき、自分で森を止めようと意気込んでいた。結局、その言葉の真意は分からずじまいになってしまうわけだ。高木たち4人が森を追いかけている頃、羽立が森を止めようと走り出すのを追いかける園子。そのシーンで廊下の奥にぼんやりと人影があるのだが、これは高木たちでも森でもない、別の誰か――すなわち追いかけるべき相手が2人、あの建物のなかにいたということだろう。

 さて、先ほど“まだ登場していない人物”とあえて強調したのは、森がすでに登場していた可能性がゼロではないからである。というのも、第3話の序盤、高木が家のダイニングでテレビのニュースに見入ってしまうシーン。花音(宮崎莉里沙)が加奈(徳永えり)に学校であったことを話しているのだが、そのなかで花音ははっきりと「森先生に〜」と言っている。この“森先生”が森と同一人物なのかは判然としないが、もしそうであり、かつ第5話で教室にいたのが森先生ならば、“主人公の意外と近くにいた”という一点をもってかろうじて黒幕の資格を有しているといえよう。

良いこと悪いこと

ガクカワサキが脚本を手がけるノンストップ考察ミステリー。小学校の同窓会で、連続不審死が発生。同級生全員が容疑者となる中、犯人を巡る探り合いが始まる。

■放送情報
『良いこと悪いこと』
日本テレビ系にて、毎週土曜21:00~放送
出演:間宮祥太朗、新木優子、森本慎太郎(SixTONES)、深川麻衣、戸塚純貴、剛力彩芽、木村昴、藤間爽子、工藤阿須加、松井玲奈、稲葉友、森優作、水川かたまり(空気階段)ほか
脚本:ガクカワサキ
演出:狩山俊輔、滝本憲吾、長野晋也
プロデューサー:鈴木将大、妙円園洋輝
チーフプロデューサー:道坂忠久
音楽:Jun Futamata
制作協力:ダブ
©日本テレビ
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