桜田ひより×佐野勇斗、初共演で相性抜群 GP帯ドラマ初主演作『ESCAPE』までの道のり

桜田ひより×佐野勇斗、『ESCAPE』で相性抜群

 10月8日に始まったドラマ『ESCAPE それは誘拐のはずだった』(日本テレビ系/以下、『ESCAPE』)の第1話では、誘拐されたお嬢様とちょっと天然な誘拐犯が、成り行きでなんとも奇妙なバディを結成することになった逃避行の一部始終が描かれていた。

 八神製薬の社長令嬢である結以(桜田ひより)は、父の慶志(北村一輝)に厳しくも大切に育てられたものの、それと引き換えに不自由な生活を余儀なくされている。ただ、行動力や好奇心は人一倍あるようで、誘拐されている状況でも初めてのヘアカラーを楽しんでいる姿が印象的だった。怖いもの知らずにもほどがあるだろう。

 一方、誘拐犯グループのひとりであり、金髪頭がトレードマークの林田大介(佐野勇斗)はぶっきらぼうな態度で結以に接しているが、心根は素直で優しいのが会話の節々から伝わってくる。誘拐している当事者にもかかわらず、マイペースにも結以にしりとりを提案するなど、すでに憎めないキャラクターとして視聴者にも認知されているはずだ。

 初回から息の合ったやりとりを見せるふたりを演じているのが、本作で初共演となった桜田ひよりと佐野勇斗。両者ともにコンスタントにドラマや映画に出演しており、本作で演じるキャラクターの役割を鑑みても、なかなかいいコンビになりそうな予感がしている。

 ドラマ『silent』(2022年/フジテレビ系)で役者として大きく飛躍した桜田は、その後も多数のドラマに出演。2025年1月期に放送されたドラマ『相続探偵』(日本テレビ系)では身体能力を活かしたアクションシーンにも挑戦しており、本作でも初回から林田を華麗に背負い投げするなど、堂に入った護身術を引き続き披露していた。

 さらに、2025年に公開された映画でたびたび桜田が主演を務めているのも興味深い。神尾楓珠とW主演を務めた『大きな玉ねぎの下で』は、同じ場所で働いているのに出会ったことのない2人の男女がノートのやりとりを通じて、すれ違いながらもお互いに対する恋心を実感していくラブストーリー。彼女が演じた美優は正直な性格でありながら、意地になって素直になれないキャラクターで、桜田はそんな彼女の葛藤や揺れ動く感情を瞳の明度で表現してみせた。あの眼に宿る宝石のような光は誰にも真似できるものではない。

 そして、彼女の瞳の輝きが存分に発揮されたのが、映画『この夏の星を見る』で演じた溪本亜紗。コロナ禍によってあらゆる経済活動が停止した2020年。高校生の亜紗が所属する天文部も、活動の制限を余儀なくされた。しかし、そんな状況においても何かできることはないかと、同じような思いを持つ全国の中高生とオンラインで繋がり、望遠鏡を覗いて星を見つける“スターキャッチコンテスト”を企画する。全国に散らばる生徒たちを演じたキャスト陣はひとえにすばらしい演技を披露していたが、桜田は物語を牽引する役割でもあった亜紗を、みんなが惑わないように先導する道標のような輝きをまとって演じていた。

 本作に登場する人々は、コロナ禍であることから常にマスクを着用している。それでも、桜田の瞳からは決して失われない光と力強い意思が伝わってくる。亜紗というキャラクターを彼女が演じたことで、本作の瑞々しいほどの青春模様はよりいっそう輝きを増したように思う。

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