『アバター』シリーズの凄さは映像だけじゃない! ドラマティックな家族の物語を振り返る

『アバター』シリーズの家族の物語を振り返る

最高峰の映像技術で描かれる没入型のドラマとして

『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』©2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 そんな家族の物語を、キャメロンによる最高峰の映像技術で没入感たっぷりに表現した『WoW』では、水中の映像表現が大きな話題となった。海洋部族メトカイナの世界は、3D映像によってまるで観客自身が潜水しているかのような没入感を生み出す。ジェイクの子どもたちが肺いっぱいに空気を吸い込み、海の底で必死に耐える場面では、観客自身も息苦しさを覚えるだろう。彼らが水中で必死に呼吸法を学ぶ姿は、文字通り「生き方を変える」ことへの苦闘を表しているものであり、この辺りの作品のテーマと映像表現がうまく噛み合っていることが素晴らしい。

 また、家族が逃げ場を失うクライマックスの水没シーンでは、映像は観客を船の内部に閉じ込め、ジェイク一家と共に窒息の恐怖を体感させる。最新技術は視覚的な驚きにとどまらず、登場人物と同じ緊張感を共有させるための装置として機能し、「子どもを持って初めて“恐れ”を学ぶ」というキャメロンの言葉が色濃く反映されているのだ。そして、衝撃的なラストシーンを経て、観客に対して「人間の憎しみがどんな悲劇を生み出すのか」「次の世代へ何を残せるのか、残したいのか」そんな力強い問いを突きつけるのだ。

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』では“家族”の絆が試される!?

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』©2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 そして待望の最新作『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』が12月19日に公開される。再び人類の侵略が激化し、火の手が広がるパンドラ。さらに、新たに登場する“アッシュ族”という勢力が、ジェイクとネイティリの家族を脅かす存在として立ちはだかる。

 予告編では、火と灰に覆われた大地で苦悩するジェイク一家の姿や、成長した子どもたちが再び戦いに身を投じる場面が映し出されている。そんな映像から、本作ではこれまで積み重ねられてきた“家族の絆”が試される物語になることが考えられるだろう。シリーズ全体のテーマはここで決定的な局面を迎える本作を観る前に、今一度ジェイクを中心に描かれる家族の物語を、壮大な映像と心揺さぶるドラマを堪能してみてはいかがだろうか。

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』本予告|パンドラの秘密が明かされる―|2025年12月19日(金)日米同時公開!

■公開情報
『アバター』
9月26日(金)~10月2日(木)1週間限定3D上映
©2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
10月3日(金)~10月9日(木)1週間限定3D上映
©2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
12月19日(金)日米同時公開
監督・製作・脚本:ジェームズ・キャメロン
製作:ジョン・ランドー
出演:サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナほか
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.
公式サイト:https://www.20thcenturystudios.jp/movies/avatar3

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる