興収で読む北米映画トレンド
『死霊館 最後の儀式』北米大ヒットでシリーズ有終の美 『ハミルトン』5年越しの劇場公開も

『死霊館』ユニバース、ひとまず有終の美。9月5日~7日の北米映画週末ランキングは、シリーズ完結作といわれる『死霊館 最後の儀式』が初登場No.1の座に輝いた。
北米では3802館で週末興行収入8300万ドルを記録し、ホラー映画として今年最高のオープニング成績を樹立。『死霊館』ユニバースとしても『死霊館のシスター』(2018年)を抜いて歴代No.1となったほか、ホラー映画全体でも『IT/イット』2部作に続く歴代第3位という驚くべき結果を打ち立てた。
配給のワーナー・ブラザースや業界のアナリストは、本作の初動成績を3500万~5000万ドル程度と予想していたため、これは想像をはるかに超えるスマッシュヒットだ。海外66市場でも1億400万ドルを稼ぎ出し、同じく事前予測の2倍以上という成績となった。

本作は『死霊館』ユニバースの第9作で、心霊研究家のウォーレン夫妻を演じてきたパトリック・ウィルソン&ヴェラ・ファーミガが続投。監督には『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』(2021年)などを手がけたマイケル・チャベス、プロデューサーにはジェームズ・ワン&ピーター・サフランが復帰した。
北米以外ではメキシコ、イギリス、ブラジル、インドなどで優れた成績を記録しており、なんと海外41市場で『死霊館』ユニバースのオープニング記録を更新。17市場ではホラー映画としての歴代記録を樹立した。また、IMAX上映の興行収入も『死霊館』ユニバースの最高記録を更新した。
製作費5500万ドルに対し、現時点での世界興収は1億8700万ドル。まさに破竹の勢いで、シリーズ累計興収23億ドルという華々しい成績を誇る『死霊館』ユニバースを締めくくる。

今年はホラー映画の人気ぶりが特に目覚ましく、ワーナーは『罪人たち』のヒットに始まり、『ファイナル・デスティネーション』シリーズの最新作『ファイナル・デッドブラッド』や『Weapons(原題)』などをすべて成功に導いている。『死霊館 最後の儀式』もその新たな1ページであり、やはり映画館での恐怖体験=イベント効果は、いま最も観客の興味を惹きやすいのだろう。




















