『平場の月』主題歌は星野源書き下ろし 堺雅人×井川遥の切ない恋模様を映し出す新予告も

『平場の月』星野源書き下ろし主題歌入り予告

 11月14日に公開される堺雅人主演映画『平場の月』の主題歌が、星野源による書き下ろし楽曲「いきどまり」に決定。あわせて新予告が公開された。

 本作は、第32回山本周五郎賞を受賞した累計発行部数20万部を突破する朝倉かすみの同名恋愛小説を実写化したラブストーリー。再会した中学時代の同級生同士の35年越しの恋模様が描かれる。

 妻と別れ、地元に戻り印刷会社に再就職し、慎ましく、平穏に生活する主人公・青砥健将役で堺が主演を務め、青砥が中学生時代に想いを寄せていた須藤葉子を、堺とは『半沢直樹』(2020年/TBS系)以来の共演となる井川遥が演じる。『ある男』の向井康介が脚本を手がけ、『花束みたいな恋をした』の土井裕泰が監督を務めた。

 本作の主題歌は、星野源が書き下ろした「いきどまり」。まるで降りそそぐ月明かりのように紡がれるピアノの旋律と儚げな歌声が、聴く人の心にやさしく響き、ささやかな希望の余韻を残す、星野源の新境地ともいえる楽曲となっている。本作の主題歌を担当するにあたり星野は「いただいた脚本を読み、ピアノをぽろぽろと鳴らしながら作曲していきました。最近私は自身を焼き付けるような楽曲を書いてきましたが、この新曲『いきどまり』は自身を歌ったものではなく、歌の中に物語があり、それが一人称で語られる楽曲です」と語った。

 主演の堺は今回の楽曲について「曲を聴きながら、井川遥さん演じる須藤と過ごしたいろいろなシーンを思い出しました。映画の世界を、月光にも似た淡く優しい光で照らしてくれるような曲ですね。星野さんが言葉にしてくださったフレーズのおかげで、物語をより理解できた気がします」とコメント。さらに、かねてより星野源のファンであったという土井監督は「(主題歌となる楽曲は)愚かしくも愛おしい人間の営みへの眼差しがあって、シニカルなのに温かく、諦念の中にささやかな希望を忘れていない。この曲をもって完結することができる『平場の月』はなんと幸福な映画だろう」とその思いを語っている。

主題歌は星野源「いきどまり」に決定☽|『平場の月』予告【11月14日(金)公開】

 主題歌「いきどまり」が使用された新予告では、地元に戻って平穏に生活する青砥(堺雅人)と須藤(井川遥)が再会し、共に過ごす何気ない穏やかな時間の中で、“なんかちょうどいい”距離へと徐々に関係を深めていく様子が映し出されている。視線や仕草のひとつひとつにお互いへの特別な感情をにじませる2人。中学時代と現在の姿が折り重なるように描かれ、あの頃と今が静かに呼応する。「私は青砥が一緒にいたいと思うようなやつじゃない」と気持ちを吐露する須藤。「俺はお前と一緒に生きていきたい」とまっすぐに訴える青砥。ナレーションは、中学時代の須藤を演じた一色香澄が担当している。

コメント

星野源(主題歌)

ある日、土井監督と那須田プロデューサーが「直に話したい」と僕の作業場まで来てくれました。映画『平場の月』の主題歌を制作して欲しいというオファーでした。今まで何度もお仕事ご一緒しているけど、こんな風に自分の居場所まで来てくれて3人だけで話すなんて滅多にないなあ、と嬉しかったのを覚えています。いただいた脚本を読み、ピアノをぽろぽろと鳴らしながら作曲していきました。最近私は自身を焼き付けるような楽曲を書いてきましたが、この新曲「いきどまり」は自身を歌ったものではなく、歌の中に物語があり、それが一人称で語られる楽曲です。劇場の中で、そして貴方の中で、ぜひこの楽曲を聴いてください。

堺雅人(青砥健将役)

曲を聴きながら、井川遥さん演じる須藤と過ごしたいろいろなシーンを思い出しました。映画の世界を、月光にも似た淡く優しい光で照らしてくれるような曲ですね。また、「間違いだらけの優しさ」「忘れられぬ呪い」「行き止まりの二人」といった、星野さんが言葉にしてくださったフレーズのおかげで、物語をより理解できた気がします。出演者として本当に嬉しく思います。星野さん、ありがとうございました。

土井裕泰(監督)

俳優・星野源とはこれまで何度か仕事をしてきたけれど、勿論そのずっと前から、彼の音楽や文章のファンだった。紛れもない現代の POPSTAR でありながら、その表現のベースには常に市井の人の視線や実感があって、だからこそ彼の眼を通して見た世界はとても信用できる。
この平場の男女の物語は彼の眼にはどんな風に映るのだろうか? ある時、そんな興味に急にとらわれて、多忙な彼に台本を届けに行ってしまった。
数か月経って、ツアーが一段落した彼から返ってきたのは、彼の声とピアノだけのシンプルで美しい曲だった。
「切ない、大人の、恋物語」などという惹句ではとても掬いきれない、愚かしくも愛おしい人間の営みへの眼差しがあって、シニカルなのに温かく、諦念の中にささやかな希望を忘れていない。
この曲をもって完結することができる「平場の月」はなんと幸福な映画だろう。星野源の歌う言葉を、どうか劇場で、最後の一音までもらさずに聴いてほしい。

■公開情報
『平場の月』
11月14日(金)公開
出演:堺雅人、井川遥、坂元愛登、一色香澄、中村ゆり、でんでん、安藤玉恵、椿鬼奴、栁俊太郎、倉悠貴、吉瀬美智子、宇野祥平、吉岡睦雄、黒田大輔、松岡依都美、前野朋哉、成田凌、塩見三省、大森南朋
原作:朝倉かすみ『平場の月』(光文社文庫)
監督:土井裕泰
脚本:向井康介
主題歌:星野源「いきどまり」(スピードスターレコーズ)
配給:東宝
製作:映画『平場の月』製作委員会
©2025映画「平場の月」製作委員会
公式サイト:https://hirabanotsuki.jp/
公式X(旧Twitter):@hirabanotsuki
公式Instagram:@hirabanotsuki

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