『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』は“三つ巴”の戦いに期待 “ラッコ鍋”は実写化可能か

『ゴールデンカムイ』がスクリーンに帰ってくる。野田サトルの漫画を原作に、主人公の“不死身の杉元”を山﨑賢人が演じて話題になった実写シリーズの最新作が、映画『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』として2026年3月13日に劇場公開。莫大な金塊のありかを握る謎の人物「のっぺら坊」を目指し、網走監獄へと杉元をはじめ主張なキャラクターたちが集結するド派手なアクションがスクリーンいっぱいに繰り広げられる。問題の“ラッコ鍋シーン”がどう描かれるのかも含め、今から強い関心が集まる。
山﨑賢人主演『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』2026年3月13日公開 特報&ビジュアルも
山﨑賢人が主演を務める『ゴールデンカムイ』の映画第2弾が『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』のタイトルで2026年3月13日に公…「俺は、不死身の、杉元だああああっ!」
そんな言葉をバックに繰り広げられているのは、銃を構える杉元をはじめとした登場人物たちの緊張感にあふれた表情や動きであり、囚人服を着て通路を駆け抜けていく大勢の囚人たち。9月2日に公開された『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』の特報映像を見て、漫画『ゴールデンカムイ』をすでに読んでいる人や、TVアニメのシリーズを観たことがある人なら、何が繰り広げられているかを感じ取れるだろう。
2024年1月に公開された実写映画『ゴールデンカムイ』からこの作品に触れ始めた人たちは、山﨑賢人が演じる杉元太一が傷だらけの顔で、全身を軍装で固めて歩兵銃を構える姿に帰ってきてくれたと大喜びしているはずだ。あるいは玉木宏が演じる顔の上半分を仮面で覆った鶴見篤四郎中尉の不気味さなり、舘ひろしが演じる老いてなお衰えを見せない土方歳三の凄みに、何が起こるのかと期待に心をワクワクさせているに違いない。

そしてアシリパさん。原作では10代前半のアイヌの愛娘を、20代の山田杏奈が演じながらもその佇まいから内に持つ強い意思、そしてアイヌとしての矜持と知識を完璧なまでに表現して、120年も前の北海道がどのような状況だったのかを思い起こさせる。他の登場キャラたちも含めて、誰もが漫画から抜け出してきたようで、それでいて決してコスプレにはならないリアルさを持って挑む『網走監獄襲撃編』が面白くならないはずがない。

そのストーリーはといえば少し状況が複雑だ。映画『ゴールデンカムイ』の公開からこの『網走監獄襲撃編』の間に、WOWOWで放送され、Netflixなどでも配信された『連続ドラマW ゴールデンカムイ -北海道刺青囚人争奪編-』があるからだ。映画の出演者たちがそのまま映画の後のストーリーを繰り広げたドラマで、北海道を行く杉元とアシリパさんは池内博之が演じるキロランケというアイヌの男と出会って「のっぺら坊」について聞かされたり、札幌で泊まったホテルで桜井ユキ演じる家永カノという支配人や、勝也が演じて額の四角い突起も含め再現された牛山辰馬と絡んだりと、次につながる展開がいっぱいのドラマだった。
そこを飛ばして『網走監獄襲撃編』を公開するのか、どこかのタイミングで『北海道刺青囚人争奪編』を観られる機会を作るのかも気になるが、映画『ゴールデンカムイ』を観て次に『網走監獄襲撃編』を観ることになっても、軸となるストーリーは「のっぺら坊」という『ゴールデンカムイ』の物語の始まりを作った男をめぐって、杉元一味と鶴見大尉の第七師団勢、そして土方の勢力が網走監獄で激突するスペクタクルへと向かうことを知っていればとりあえずは十分だ。




















