『エイリアン:アース』ウェンディの恐るべき事実が明らかに 今後起こりうる事件の布石も

モローは“フック船長”、ティンカーベルは……
前回に引き続き、さらにスライトリー(アダーシュ・ゴーラヴ)をゆするモロー(バボー・シーセイ)。スライトリーの本名をスペル込みで聞き出すシーンで、本当に悪い顔をするのだからたまらない。『ピーター・パン』のレファレンスが多い本作において、彼はフック船長だ。ピーター・パンはさながらボーイ・カヴァリエで、彼らの本拠地を聞き出そうとしている。モローの片腕が武器になっているのも、彼がフック船長的な立ち位置にいることを強調している。
モローは最終的にスライトリーの元の母親を訪ね、案に自分に従わなければ家族の命が危ないと脅迫する。エイリアンエッグを外に盗む(返してもらう)ことを目的としているモローはスライトリーに持ち出すことを指示するが、いかんせん運び出すのは無理だということで、人間を研究室に引っ張り込み、卵に接近させることを命ずる。エッグは有機体が近くにくると寄生するために自動的に開くようになっているのだ。
さて、そんな“生贄候補”としてスライトリーの目に止まるのが、すでに肺を提供済みの可哀想なハーミットである。ウェンディだけが元の家族と過ごせていることへの不平不満がロスト・ボーイズたちの間で伝染する。特に今、悪い大人から家族を人質に取られている本当は11歳の少年のスライトリーにとって、彼女の特別扱いは許せない。しかし、モローの指示はカーシュ(ティモシー・オリファント)に筒抜け。カーシュも彼なりにカヴァリエから「人間より優秀だと思っていたが言い訳ばかり」と言われるなど、何か腹に抱えていそうなのが気になるところだ。
スライトリーのように『ピーター・パン』で嫉妬心を利用され、フック船長の口車に乗せられてしまうキャラクターがいる。ティンカーベルだ。ティンクはピーター【カヴァリエ】に認められたくて、ウェンディにヤキモチを妬く。第3話から第4話の時点でわかるように、そのティンク候補としてスライトリー以外にも、カヴァリエに取り入ろうとしたカーリー(イラーナ・ジェームズ)と、様子がおかしくなっていくニブス(リリー・ニューマーク)が挙げられる。特にニブスは移植された子供の精神が病み、妊娠をしたとシルヴィア夫妻に告げた。
科学者である彼らは、プロディジーというメカ企業での研究方針に対し、対立した意見を持っていた。未完成なハイブリッドの研究を放り出して新領域(エイリアンの研究)に向かうのか。意外とハイブリッドの精神ケアを担当していたデイム(エシー・デイヴィス)のほうが冷めた意見だったが、そんな彼女もニブスの揺らぎに動揺する。これらの揺らぎが人間離れするウェンディと対比するかのように、ハイブリッドの中身が少年の少女であること、“人間”であることを強調するのだ。
“目玉モンスター”の脅威は未知数
さて、チェストバスターとウェンディのクリフハンガーも気になるが、それ以上に不穏な雰囲気を漂わせる恐ろしい存在が、“目玉モンスター”ことT.オセルスである。今回の実験でT.オセルスは同じ部屋に閉じ込められた羊の目をくり抜き、自分がその目と成り代わって寄生した。すると羊の脳波が代わり、ガンマ派が確認される。それは問題解決能力や集中力の指標となり、T.オセルスが高い知能を持つ生物であることが発覚するのだ。
そんな知能の高いT.オセルスに対し、自分の方を向かせて「僕だ」と言い聞かせるカヴァリエ。その際、彼の顔が影になって“片方の目が見えなくなっている”ようなショットで映されていた。彼のほうをじっと見るT.オセルスの様子も含め、とても不安である。
■配信情報
『エイリアン:アース』
ディズニープラス スターにて独占配信中
出演:シドニー・チャンドラー、アレックス・ロウザー、ティモシー・オリファント、エッシー・デイヴィス、サミュエル・ブレンキン、バボー・シーセイ、デヴィッド・リズダール、エイドリアン・エドモンドソン、アダーシュ・ゴーラヴ、ジョナサン・アジャイ、イラーナ・ジェームズ、リリー・ニューマーク、ディエム・カミラ、モー・バーエル
クリエイター:ノア・ホーリー
製作総指揮:リドリー・スコット、デイビッド・ツッカー、ジョセフ・イベルティ、ダナ・ゴンザレス、クレイトン・クルーガー
©2025 FX Productions, LLC. Courtesy of FX Networks and Hulu

























