『明日はもっと、いい日になる』が描く外国人居住者の困難 “社会の分断”の歯止めへの願い

『明日はもっと、いい日になる』が込めた願い

 『明日はもっと、いい日になる』(フジテレビ系)第6話では、居所不明児童の事例が扱われるとともに、その背景にある外国人居住者の困難が描かれた。

 翼(福原遥)たちは警察からの身柄付き通告を受け、小学校に無断で忍び込んだ7歳の男の子・一ノ瀬愁(谷利春瑠)を保護する。本人の自己申告で名前と年齢はすぐに判明したが、住民票に登録されている住所を訪ねたところ、すでに引越し済みだった。

 愁は、親と一緒に住民票の住所から離れて各地を転々とする、いわゆる“消えた子ども”。公的には居所不明児童と呼ばれる存在だ。居所不明となる理由としては、借金を苦にした失踪や、配偶者による暴力からの避難などが挙げられる。つまり居所不明児童は単体の問題ではなく、貧困やDVなど複数の課題が絡み合った結果として生じる問題なのである。

 翼と蔵田(林遣都)は近隣への聞き取りから愁の母親・リン(フォンチー)の居場所を特定し、事情を聞くことに。リンはベトナム人で日本人の夫と結婚するも、1年前に離婚。日本語の理解が不十分なために、住民票の異動や愁の入学手続きが滞っていた。そこで翼たちは親子が再び暮らせるようにリンをサポートするが、さらなる大きな壁に直面する。

 リンは夫との離婚が成立した時点で日本人の配偶者としての在留資格を喪失。半年以内に他の在留資格に変更する必要があったが、申請料を確保できず手続きができていなかった。そのため、オーバーステイによる強制送還の対象となる可能性が浮上。そうなった場合、日本で生まれ、日本で育った愁は言葉も分からない国でリンと暮らすか、一人で日本に残って施設で暮らすかの二択を迫られることとなる。

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「リキャップ」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる