『誘拐の日』内田有紀の陰謀が明らかに 永尾柚乃の「またパパだって言ってね」が胸を打つ

『誘拐の日』内田有紀の陰謀が明らかに

 人類の希望として生まれた少女と、彼女を守ろうとした男。『誘拐の日』(テレビ朝日系)第4話は、凛(永尾柚乃)と新庄(斎藤工)の間に生まれた静かな絆が、国家規模の陰謀と個人の思いの狭間で揺れ動く壮大な回となった。

 逃亡の末に辿り着いたのは、都会の喧騒から離れた医学博士・水原(内田有紀)の別荘だった。そこで新庄は、眠る凛の姿と再会する。「この子は人類の希望なんです」――頭部に装置を取りつけられた彼女は、人間の脳を研究する“実験対象”だった。凛が関わっていたのは、多彩な才能や知能を持つ人間を人工的に生み出す「次世代知能開発プロジェクト」。彼女はその“第1号”であり、Zキャピタルズというグローバル企業から莫大な出資を受けた、国家レベルの計画の中心にいた。

 新庄にとって、凛は“人類の希望”などではなく、ただの少女だった。自分を父親のように慕ってくれた凛と、命がけで逃げた日々を共にした、かけがえのない存在。けれど、世界は彼女を“所有物”として扱おうとしている水原に嫌悪感を示しつつも、凛の未来を守るためにも、ここで彼女と別れてほしい、そしてその代わりに、新庄の実の娘・芽生(日下莉帆)の心臓手術を手配し、退院後の支援まで全面的に請け負うという水原の言葉を聞いて、新庄は水原を信頼する。

 驚くべきことに、これまでも芽生の治療費を支払っていたのは水原だった。凛を守ってくれたことへの感謝と、プロジェクトの成功に向けた投資。水原はその両方の意味を込めての行動だったのだろう。ただし、その親切が誰のためのものなのか、新庄には割り切れない思いが残っていた。守りたいのは、少女の未来か、それとも科学の成果か。新庄の胸の奥には、言葉にできない葛藤が残っていた。

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