『DOPE』“才木”髙橋海人と“陣内”中村倫也の確かな絆 “椿”忍成修吾の裏切りが明らかに

『DOPE』髙橋海人と中村倫也の確かな絆

 だが、事件はそこで終わらない。才木は歓迎会で酔い潰れ、陣内に送られて帰宅する。その車中で、「DOPEを無くしたいです」とぽつりと漏らした言葉には、母の存在があった。かつて母がDOPEに溺れ、家族がバラバラになってしまった過去。才木はただの理想主義者ではなく、私的な喪失体験を通して「救う側」でありたいと願っているのだ。その話を聞いた陣内の表情には、少しだけ揺れる情が滲んでいた。

 一方で、椿の裏の顔が徐々に明らかになりつつある。かつて香織の事件の捜査に関わっていた彼は、その真相に何かしらの形で近い立場にあったことが匂わされる。さらに、ジャヒドは大企業タカノフィードが雇った人物であり、特捜課がその会社を追い詰めていく過程で、社長の高野の関与が浮かび上がる。DOPEを用いた密売と、それに絡む巨大組織の存在。その構図が、一層大きな陰謀を示唆している。

 再びタカノフィードに潜入した才木と陣内。待ち伏せていた高野はDOPEを服用し、人の意識を操るという恐るべき能力を発動する。操られた才木が陣内に銃を向け、2人が対峙する展開に。緊張感のなかでなんとか正気を取り戻し、高野が再び銃を構えた刹那、陣内は冷静に能力を使い、才木を守る。反射的な行動ではなく、確かな判断と絆の現れだった。

 その直後、逮捕されたジャヒドが留置所内で死亡したという報告が入る。もはや偶然ではない。さらに、本郷(佐野和真)がガサ入れ情報を外部に漏らしていたり、戸倉(小池徹平)が椿による監視を密かに陣内に伝えていたりと、警察内部に渦巻く疑惑も顕在化していく。新宿中央署で起きた5億円強奪事件と麻薬押収金の消失という過去の不祥事も絡み出し、“本当の犯人は警察内部にいる”という仮説がリアリティを帯びていく。

 部屋で1人、陣内が見つめていたのは椿の写真。その視線に浮かぶのは、かつての同僚としての思いか、それとも。ジウの暗躍、椿の裏切り、そしてDOPEに侵された過去と現在が描かれた第3話は、陣内という人物の輪郭をさらに濃く描きながら、特捜課全体を巻き込む謎の濃度を一段階引き上げた回となった。

『DOPE 麻薬取締部特捜課』の画像

金曜ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』

木崎ちあきが手掛けた同名小説を原作を実写化した麻取アクション・エンターテインメント。謎に包まれた新型ドラッグ“DOPE”が蔓延している近未来の日本で、正反対のバディがDOPEによって巻き起こる不可解な事件の解決に挑んでいく。

■放送情報
金曜ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:髙橋海人、中村倫也、新木優子、三浦誠己、豊田裕大、久間田琳加、忍成修吾、入山法子、佐野和真、蒼戸虹子、小池徹平、真飛聖、伊藤淳史、井浦新
原作:木崎ちあき『DOPE 麻薬取締部特捜課』シリーズ(角川文庫/KADOKAWA刊)
脚本:田中眞一
演出:鈴木浩介ほか
プロデュース:長谷川晴彦、佐藤敦司
音楽:内澤祟仁
主題歌:Uru「Never ends」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
挿入歌:King & Prince「I Know」(UNIVERSAL MUSIC)
編成 :杉田彩佳、松本友香
製作:TBSスパークル、TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/DOPE_tbs/
公式X(旧Twitter):@dope_tbs
公式Instagram:@dope_tbs

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