『グッドボーイ』パク・ボゴムの繊細な演技に釘付け 大ピンチの“グッドベンジャーズ”たち

『グッドボーイ』パク・ボゴムの繊細な演技

甘すぎない癒しのロマンス

 本作のもうひとつの見どころである、心を和ませるロマンスについても触れたい。先述のハンナ救出劇ではハンナとドンジュの再会が感動的に描かれたが、2人の恋はまだまだ始まったばかりだ。

 様々な騒動を巻き起こした特別捜査チームは解散に追い込まれ、各自以前の仕事に戻ることになる。しかしドンジュが屈するはずがなかった。彼は親友だったギョンイル(イ・ジョンハ)を殺し、ギョンイルの母親にも重傷を負わせたミンを許すことなんてできない。一度ラウンドが始まったら、もう止められないのだ。ドンジュはミンと関係がある店に片っ端から殴り込み、摘発しようとする。

 そんな彼を止めることができるのは、ハンナだけだった。「あなただけで何ができるっていうのよ」と、彼女が1人で突っ走るドンジュに寄り添って涙を見せ、口づけをするシーンは物語後半のハイライトとも言える。ドンジュがそっとハンナの涙を拭く姿からも、彼女のことをどれだけ愛おしく思っているのかが伝わってくる。

 またこのシーンは、両親も親友も居なくなり 1人で戦ってきたドンジュが、ハンナたちのような味方がいるということを再確認したシーンでもある。血が流れる生々しい場面が多い本作において、ひとときの癒しともなった。

クライマックスへ向けての期待

 そうして“グッドベンジャーズ”たちは再び捜査を続けることを決め、ついにミンの力の源である金のありかを突き止めた。しかし喜びの時間も束の間、ミンのさらなる復讐劇が始まる。

 袋叩きにされたドンジュは、ミンに誘拐され、致死量の薬を打たれてしまう。それでもどうにか逃げ出すが、薬を使用して一般人に危害を加えた容疑者として、さらには賞金を懸けられて追われることになる。そんな彼を秘密裏に、必死に探し出そうとする“グッドベンジャーズ”たち。やっと見つかったドンジュは瀕死状態だった。

 これから気になるのは、視力に異常が出始めているドンジュの病のこと。意識が朦朧としている様子や、意識を失ってから血だらけのまま目を覚ますドンジュの痛々しさは、その見た目だけでなくパク・ボゴムの繊細な表情の演技からも滲み出ていた。

 いよいよ最終回に向けて、スケールが大きくなってきた『グッドボーイ』。銃を取り出したハンナは、亡くなった父、そしてドンジュのために1人で行動を起こそうとしている。ミンとドンジュたちの戦いに、明るい結末が待っていることを祈って、最終話まで見守りたい。

■配信情報
『グッドボーイ』
Prime Videoにて配信中
出演:パク・ボゴム、キム・ソヒョン、イ・サンイ、ホ・ソンテ、テ・ウォンソク、オ・ジョンセ
演出:シム・ナヨン
(写真はJTBC公式サイトより)

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