『ダンダダン』“最強ババア”鬼頭ナキが強烈すぎる サイエンスSARUならではの演出が光る

ファン待望の『ダンダダン』第2期が、7月3日深夜についに幕を開けた。第13話「大蛇伝説ってこれじゃんよ」は、物語の新たな舞台となる鬼頭家の不穏さを一気に視聴者に叩きつける序章であり、同時にこの作品が持つ“怪奇”をより濃密に感じさせる回となった。
舞台はジジの実家・鬼頭家へ。モモ、オカルン、ジジが鬼頭家に集まった途端に、村を覆う不気味さと張り詰めた空気が強調される。原作のテンポと比べても、今回は“じわじわ不気味さを煽る演出”が多めに取られており、特にお札だらけの隠し部屋と、そこに現れる鬼頭家の面々が放つ「得体の知れない圧」には背筋が冷えた人も多いはずだ。
本来、原作ではもう少しサクッと進む展開を、あえて丁寧に「鬼頭家とはなんなのか」「この村は何が異様なのか」をじっくりと描写している。インターホンが鳴って、モモだと思って玄関を開けたジジとオカルンが見た光景は想像を絶するものだった。磯辺万沙子が演じる鬼頭ナキの存在感は、それだけでこの村の“ヤバさ”を全視聴者に突きつけた。
今回注目したいのは、演出の「引き算と足し算」だ。例えば、原作ではややあっさりと進む“供物を揃える”くだりを、アニメではじっくりとした空気感の中で描き、隠し部屋を見つけた時のジジとオカルンの緊張感に、視聴者も一緒に息を呑む構造になっていた。

一方で、モモが露天風呂で鬼頭家の男たちに襲われるくだりも、あえて“ギャグで流しきらず”に一瞬ヒヤッとさせる演出にしたのも印象的だ。『ダンダダン』はギャグと怪異が背中合わせで成立する物語だからこそ、制作陣が「じわじわくる怖さ」を生かす選択をしているのが面白い。アニメーションを担うサイエンスSARUならではの、背景の色彩の変化や紫がかっていく村の空気、不気味さを増幅させる照明設計といった絵に対する作り込みが、今回も見事に効いていた。






















