オランダの鬼才ROSTOの追悼上映企画「存在証明」開催 遺作となった『四つの悪夢』も

ROSTOの追悼上映企画「存在証明」開催へ

 オランダの映像作家・芸術家ROSTOの追悼上映企画「存在証明」が、8月16日よりシアター・イメージフォーラムにて先行公開後、全国順次公開されることが決定した。

 ROSTOは1990年初頭、自らの製作スタジオ「ROSTO A.D's」を拠点にCFやミュージックビデオを制作するかたわら撮り上げた短編映画『(伝説の)アングロビリー・フィーバーソンの興亡』(2002年)と『ジョナ/トムベリー』(2005年)が、カンヌ受賞をはじめ世界的評価を浴びた。これらの短編はミクスドメディア・プロジェクト『Mind My Gap』の一部であり、受賞以前からグラフィックノベル、映像、音楽化した作品群を、当時としてはかなり先駆的な試みであるオンラインにて発表し続けていた。

 受賞後には、かつて自らが所属していたパンクバンド・THE WRECKERSを“黄泉の国”から呼び戻し、『Mind My Gap』のスピンアウト作品として“存在しないレコードのミュージックビデオ”ともいうべき4連作『THEE WRECKERS TETRALOGY』を15年の歳月をかけて完成させる。そして初の長編作品に期待が集まる中、2019年に病気のため急逝した。

 ROSTOはの死後、友人であり、『ユニコーン・ウォーズ』や『LOGORAMA』のプロデューサーとしても知られるミハエル・シュマーキンが、オンライングラフィックマガジン『Mind My Gap』を210ページ+2CD付き特別仕様の書籍としてまとめ上げた。同時に4連作をまとめた『四つの悪夢』とドキュメンタリーをあわせてコロナ禍のヨーロッパ各国で上映し、その早すぎる死を悼んだ。

ROSTO 追悼上映企画「存在証明」

 追悼企画「存在証明」では、遺作となった『四つの悪夢』(2020年)とドキュメンタリー『すべてが変わったようで、何も変わっちゃいない』(2020年)が上映される。

■公開情報
「存在証明」
8月17日(土)より、シアター・イメージフォーラムにて先行公開

『四つの悪夢』
監督:ROSTO
配給:Riskit Black Rabel
提供:リスキット、Simple+
2022年/フランス・オランダ/英語・日本語字幕/45分/カラー/DCP/原題:Thee Wreckers Tetralogy

『すべてが変わったようで、何も変わっちゃいない』
監督:Joao Costa&Roben GradiSen
出演:ROSTO, THEE WRECKERS
配給:Riskit Black Rabel
提供:リスキット、Simple+
2022年/フランス・オランダ/英語・日本語字幕/20分/カラー/DCP/原題:Everything is different, but Nothing has changed

公式サイト:ROSTO.JP

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