声優・永瀬アンナが今振り返る『呪術廻戦』という存在 「“大人の階段”を登るきっかけに」

永瀬アンナ、『呪術廻戦』で“大人の階段”へ

中村悠一と櫻井孝宏の印象、尊敬しているところ

ーーその駆け出しのタイミングで、五条悟役の中村悠一さんと夏油傑役の櫻井孝宏さんというベテラン声優と一緒にお芝居をしたわけですが、お二人の印象はいかがでしたか?

永瀬:中村さんも櫻井さんも、本当に役に対する解像度が高く、そして何より芝居に対する姿勢がすごい。その印象は当時も今も変わりません。「AnimeJapan 2025」のステージイベントでご一緒させていただいたときも、お話を伺っていてキャラクターへの向き合い方や理解の深さに、自分にはまだ足りていないところがあることを感じると同時に、改めて尊敬できる方たちだなと改めて感じました。

ーーもしも今、2年前の「懐玉・玉折」収録当時、駆け出しの頃の自分にアドバイスを送れるとするなら、どんな言葉を伝えたいですか?

永瀬:「素直にやっていいよ」って言いたいです。作品によって、その現場によって求められることが違うので、当時はそのすべてに応えようとして「あわわわわ!」って慌てたり戸惑うこともあったんです。でも、もっと自分を信じて、「自分の思うように芝居をやっていいんだよ」って伝えたいですね。

ーー永瀬さんは現在20歳を迎えましたが、10年後……30歳の自分に贈りたい言葉はありますか?

永瀬:「30歳からが本番だよ」ですね。ある先輩から「今は“若さ”でお仕事をいただけているところもあるけど、30歳からは“実力”と“信頼”が試される」と言われまして。だから、今はその土台を築く大事な時間。おごらず、誠実に取り組んでいきたいと思います。

ーー改めて永瀬さんにとって『呪術廻戦 懐玉・玉折』という作品、“天内理子”というキャラクターはどのような存在でしょうか?

永瀬:「懐玉・玉折」って「青春」がキーワードだと思うんですけど、こんなに“青”という言葉が切なく感じたことはなかったです。ちょうど自分が17歳、18歳の頃に収録が行われていたんですが、今はもう取り戻せない五条と夏油の関係や、理子ちゃんの胸の内に秘められた本心など、作品に詰まった愛おしさや苦しさがすごくリアルに感じられたのを覚えています。理子ちゃんも、当時の精神がぶれぶれで未熟な自分と重なる部分もあって、いちキャラクターとしてだけじゃなく、人生の経験としてもすごく大きな存在でした。そしてこの『呪術廻戦』での経験があったからこそ、その後に色々なことに対して自信を持てたり、物事を深く考えるようになったり……自分が“大人の階段”を登るきっかけになれたのではないかと思っています。

ーー最後に、『劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折』を観る方へのメッセージをお願いします。

永瀬:『呪術廻戦』は人間のリアルな“怖さ”も描かれていますが、その中にふとした瞬間に光るコメディ要素もあって、誰でも楽しめる作品だと思います。劇場版総集編は5話分が凝縮されていて、感情の流れもより追いやすくなっていますし、キタニタツヤさんが歌う主題歌「青のすみか(Acoustic ver.)」など音の魅力も詰まっています。きっと満足していただける時間になるはずですので、ぜひご堪能ください。

■公開情報
『劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折』
全国公開中
原作:芥見下々『呪術廻戦』(集英社ジャンプコミックス刊)
キャスト:中村悠一(五条悟役)、櫻井孝宏(夏油傑役)、遠藤綾(家入硝子役)、永瀬アンナ(天内理子役)、子安武人(伏黒甚爾役)
監督:御所園翔太
シリーズ構成・脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:平松禎史、小磯沙矢香
副監督:愛敬亮太
美術監督:東潤一
色彩設計:松島英子
CGIプロデューサー:淡輪雄介
3DCGディレクター:石川大輔(モンスターズエッグ)  
撮影監督:伊藤哲平
編集:柳圭介
音楽:照井順政
音響監督:えびなやすのり
音響制作:dugout
制作:MAPPA
主題歌:キタニタツヤ「青のすみか (Acoustic ver.)」(Sony Music Labels)
配給:TOHO NEXT
©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
公式サイト:https://jujutsukaisen.jp

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