松村沙友理、“自分のなかで許しが出た”芝居への自信 現在の乃木坂46に対する思いも

松村沙友理、変化した“芝居”への取り組み方

 現在テレ東系で放送中のドラマ『やぶさかではございません』は、恋愛不器用こじらせアラサー女子×距離感バグ年下男子による“相思相愛”溺愛胸キュンラブコメディー。初恋にトラウマがあり、絶賛恋愛こじらせ中の不思議麻衣を演じている主演の松村沙友理に、撮影時のエピソードや麻衣との共通点、そして現在の乃木坂46に対する想いなどを語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

「自信がなかった」乃木坂46卒業後からの変化

ーー人気漫画の実写ドラマ化作品となりますが、オファーを受けたときの心境はいかがでしたか?

松村沙友理(以下、松村):原作を読んだときは、「わたしがこの役をやるのか……!」という照れがありました。でも実際に現場に入ってみると、キャストのみなさんとロケーションが原作から飛び出してきたような感じだったので、違和感なく役に入ることができました。

ーー不思議麻衣の役作りについても教えてください。

松村:どんどん話数を重ねるごとに、亮くん(駒木根葵汰)の愛が激しくなっていくんです! 「こんなに愛情たっぷりなことを言ってくれるの!?」ってちょっと照れちゃいました(笑)。あと、実際に演じながら、最近はシリアスな作品が多いけど、『やぶさかではございません』みたいに悪い人が出てこない王道の胸キュン作品も今の世の中には必要なんじゃないかな、と思いました。

ーー演じるにあたって、原作漫画を意識したりも?

松村:コメディ要素が強い作品なので、麻衣ちゃんの表現も漫画っぽいんです。なので、実際に人間が演じたときに変にならないように……というのは一番気をつけたポイントです。ただ、そういった“漫画っぽさ”みたいなものもこの作品の魅力だと思うので、原作ファンの方が観ても「全然違うじゃん!」とならないように、そのあたりの塩梅は意識しながら演じました。

ーー麻衣のキャラクターに共感する部分はありましたか?

松村:わたしも、人生の大半はお仕事がメインだったので……。そう考えると、こじらせ側なのかなぁ。麻衣ちゃんとは同世代だし。ただ、わたしは結構憧れがあるタイプなんですよね。

ーーというと?

松村:たとえば、この作品だと「亮くんみたいな人素敵だなぁ」とか。麻衣ちゃんは、あまりそういうのがないじゃないですか。「こういう恋愛がしたい!」とかもないし。そう考えると、麻衣ちゃんとは似ている部分のほうが少ないかもしれないです。

ーー松村さんは、2021年に乃木坂46を卒業されてから、さまざまな作品にコンスタントに出演されていますよね。

松村:本当にありがたいです。ただ、いま思うと最初に入ったのがアイドルの世界だったので、そこで苦しんだりもしました。たとえば、女優をやろうと思っても、「いろんなことをやってる人でしょ?」と思われたら嫌だなとか。歌うにしても、ソロでやっている人とは違うし……。いろんなことが中途半端だなぁって。

ーーその葛藤はいつ頃解消されたのでしょうか?

松村:実際にお芝居の現場に行くと、「アイドルさんはすごいよね」と言ってもらえる機会が多かったんです。「音楽をやっている人は、演技の表現の幅があるよね」とか。最初は「アイドルが演技の世界に足を踏み入れるべきじゃないんじゃないか?」という考えが拭えなかったんですけど、だんだんと「自分が気にしすぎているだけなのかな」と思えてきて。

ーー卒業後すぐにインタビューさせていただいたときに、「お芝居に自信がない」とおっしゃっていましたが、4年経って自信はつくようになりましたか?

松村:映画『ずっと独身でいるつもり?』のときですよね。あのときがちょうど「お芝居に集中してみよう」と思ったタイミングだったんです。そこから1年半くらいは何かしらの作品に出演させていただいて。なので、アイドル現役のときよりも、今のほうが自信を持って「演技をやっていいんじゃないかな?」と思えている気がします。自分のなかで“許し”が出たというか。

松村沙友理、ぶち当たった大きな壁と芝居への意欲 「自信がないからこそ逆に面白い」

2021年7月13日に乃木坂46から卒業した松村沙友理。卒業と同じタイミングでの放送開始となった連続ドラマ『プロミス・シンデレラ…

ーーそこから途切れることなく役者としてのお仕事が続いていますよね。

松村:わたしは、運がいいタイプだと思うんです。『やぶさかではございません』で主演をやらせていただけたのも、運のよさのおかげだと思っていて。この世界って、数をこなしたから上手くなるとか、明確なものがないじゃないですか。そのあたりが勉強とは違うんですよね。頑張って覚えたらテストの点が上がるとか、そういうのもないし。自分が今どのレベルにいるのか、「前よりも成長したな~」と実感できるものがない。なので、正直なところ自分が成長しているのかどうかは分からないんです。でも、明確に変わったなと思えるのは、気持ちの面。前は主演をやらせていただくときも、素直に喜べなかったんです。

ーーそれは、“元アイドル”という肩書きがあるから?

松村:はい。元アイドルだからこそ、プレッシャーの方が大きくて。でも、最近は「やった! 主演だ!」って素直に喜べるようになってきました。それは成長したポイントだなと思います。

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