松本若菜、主演を重ねた“いま”見えてきた景色 『Dr.アシュラ』を導く座長としての覚悟

現在放送中のフジテレビ系水10ドラマ『Dr.アシュラ』で主演を務める松本若菜。救命医療の現場を舞台にした本作では、圧倒的なスキルと覚悟で命と向き合う救命医・杏野朱羅を演じている。
2024年は『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)、『わたしの宝物』(フジテレビ系)で2クール連続主演を務め、2025年にはエランドール賞・新人賞も受賞するなど、いまもっとも注目を集める俳優のひとりだ。エンタメの第一線を走り続ける松本に、連続ドラマへの出演を経て感じた心境の変化や、座長として作品に臨む姿勢、そして多忙な日々の中でのリフレッシュ法について話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
「1年半前の自分からしたら、本当に想像もしていなかった」

ーー2年連続のフジ連ドラ主演という点について、率直なお気持ちをお聞かせいただけますか?
松本若菜(以下、松本):1年半前の自分からしたら、本当に想像もしていなかったことです。救命医療という題材は、緊張感のある現場だからこそ、役者として挑みがいのあるジャンルだと感じています。ただ、特別に気負うというよりも、いままで積み重ねてきたものの延長線上にあると考えていて。救命医療ドラマだからといって特別な姿勢で臨むというよりも、私は常に同じ熱量で作品と向き合ってきましたし、これからも変わらないと思っています。今回は『Dr.アシュラ』で座長を務める立場として、現場の空気づくりにも目を向けていきたいですね。
ーー座長として、『Dr.アシュラ』の現場の雰囲気は、これまでの作品と比べていかがですか?
松本:直近だと『西園寺さんは家事をしない』や『わたしの宝物』では、同世代の共演者が多かったんですが、今回は、私がちょうど真ん中ぐらいの年齢層で、それがとても新鮮でした。佐野晶哉さんをはじめとした若い世代のキャスト、そして朱羅の師匠役を演じられている渡部篤郎さんのような大先輩がいて、年齢層も本当に幅広いんです。最初はどんなチームになるのかなと少し不安もありましたが、皆さん本当に明るくて楽しい方ばかりで、すぐに打ち解けられました。医療シーンの撮影は時間もかかって大変ですが、そういうシーンを一緒に乗り越える中で自然とチームワークも生まれていって。カットがかかった瞬間に笑いが起こるような、メリハリのある現場になっています。

ーーこれまでにもフジテレビでは多くの医療ドラマが作られてきましたが、『Dr.アシュラ』ならではの面白さは、どこにあると感じていますか?
松本:本作は“二次救急”という現場が舞台になっているのが特徴で、最先端の機器が並ぶ三次救急とは違って、より現実味のある医療の姿が描かれています。派手なオペのシーンがあるわけではないけれど、だからこそ一人ひとりの生と死に対する価値観が浮き彫りになってくるんです。キャラクターたちも一癖も二癖もある人たちばかりで、そこも『Dr.アシュラ』ならではの魅力かなと思います。
ーー撮影現場では、アドリブも出るような空気感なんでしょうか?
松本:そうですね。鈴木浩介さんのアドリブが特にすごくて、第2話の撮影では本当に驚かされました(笑)。現場でもつい目で追ってしまうような存在感がある方なので、「このシーン、もしかしてアドリブかも?」と想像しながら本編を観るのも、ひとつの楽しみ方かもしれません。

ーー佐野晶哉さんとの共演シーンも多いかと思います。撮影の合間など、どんなお話をされているのでしょうか?
松本:現場の合言葉が「巻いていこう」なんですよ(笑)。どちらかのシーンが先に終わると、「え? もう終わっちゃうの?」「もう少しいようよ!」なんてふざけ合ったりしていて、そんなやりとりも楽しんでいます。佐野さんは本当に真っ直ぐな方で、私に対しても「カッコいい座長です!」って、ちゃんと言葉にして伝えてくれるんです。そういう姿勢が現場の雰囲気をすごく明るくしてくれていて、彼の存在には本当に感謝しています。