大泉洋をスターにしただけじゃない 『水曜どうでしょう』がアニメシーンに与えた影響
実は『水どう』がアニメでオマージュされるのは、これが初めてではない。あfろがマンガアプリ「COMIC FUZ」にて連載し、2018年にアニメ化されたガールズアウトドアストーリー『ゆるキャン△』は、キャンプ好きな女子高校生の日常生活を描き大ヒットした作品。劇中「ここをキャンプ地とする」という発言があるのだが、それはもともと『水どう』内で生まれた名セリフである。
そういった経緯もあり、『ゆるキャン△』はその後、なんと『水どう』と正式なコラボレーションも果たす。2019年10月に開催予されたイベント「水曜どうでしょう祭FESTIVAL in Sapporo 2019」にて、コラボグッズが販売。さらに、藤村D監修でアニメ第1期のハイライト映像が作られ、その中で「1/6の夢旅人2002」(※『水どう』の「原付ベトナム縦断1800キロ」エンディングテーマ曲)を組み合わせたコラボMVなども発表された。
そんな藤村Dと嬉野Dの2人は、2021年に放送されたアニメ『ゆるキャン△ SEASON2』に声優としても出演している。
なぜ『水どう』はこんなにもアニメ作品でオマージュされるのか。もちろん、上記したアニメが「キャンプ」や「旅」といった『水どう』に親和性のあるテーマを扱っていることが挙げられるのだが、それに加え、番組をまとう“ゆる~い”空気感が『ゆるキャン△』『ざつ旅』に当てはまるジャンル「日常系アニメ」にマッチしているとも感じる。
『水どう』最大の魅力といえば、4人のメンバーが繰り広げるゆる~い会話劇。だからこそそれぞれの個性が光り、そんなメンバーが展開する奇想天外な企画中に巻き起こるハプニングが、伝説を生んでいる。そんな「肩の力を抜いて、何も考えずに見ることができる」ところが、日常系アニメと重なるのだ。
そんな『水どう』にリスペクトを持つ人たちが今、クリエイターとなり、作品を生み出す側となった。きっとこれ以降も『水どう』の影響を受けた作品が作られ続けるのではないだろうか。