『桜蘭高校ホスト部』好き必見? “本格ホストアニメ”『えぶりでいホスト』の破壊力
声優陣の芝居もまた、この作品の魅力を支える大きな柱だ。短尺ながらもキャラクターの濃さとテンポの良い会話が際立ち、「短いのにちゃんと笑える」という満足感を毎話きっちり届けてくれる。さらに、良い意味でギリギリ成立しているラインを攻めたネタの連打は、深夜帯という枠にぴったりハマっている。
下野紘、八代拓、畠中祐、岡本信彦といった実力派が、突き抜けたキャラクターをあくまで真面目に、全力で演じきっているのも特筆すべき点だ。その“本気のバカバカしさ”が作品全体に独特のリズムを与え、ツッコミどころ満載の展開をしっかりと支えている。近年ショートアニメは増えてきているが、癒し系でも子ども向けでもない、大人向けの本格ギャグアニメは久々ではないだろうか。
そしてもうひとつ見逃せないのが、OP主題歌「えぶりでいホスト」だ。作詞・作曲を手がけたのは、ゴールデンボンバーの鬼龍院翔。ホストらしい、アゲアゲなワードセンスを巧みに散りばめながら、〈指名し名刺baby 入れてねシャンパン 毎日がイベント〉と畳みかけるようにテンションを引き上げてくる一曲に仕上がっている。軽快なビートとクセになるメロディが、作品の幕開けにぴったりのスパイスとして機能しており、主題歌のクオリティが妙に本気なのも、本作のただならなさを象徴している。
アニメもキャラクターも楽曲も、どこを切っても“やりすぎ”なのに、なぜかすべてが絶妙なバランスで成立してしまう。それこそが、『えぶりでいホスト』という作品の恐ろしさだ。深夜帯のたった数分、ぼんやり眺めていたつもりが、気づけば笑って、引いて、なぜか時に少し心に沁みている。そんな混沌と中毒性を孕んだ5分間に、まんまと心を奪われてしまうのだ。
■放送情報
『えぶりでいホスト』
テレ東にて、毎週金曜25:13~放送
BS日テレにて、毎週土曜24:56~放送
各配信サイトにて、毎週土曜25:00〜順次配信
キャスト:下野紘(コーイチ)、八代拓(ハジメ)、畠中祐(リョーイチ)、岡本信彦( センイチ)
原作:ごとうにも『えぶりでいホスト』(あすかコミックスDX/KADOKAWA刊)
監督・脚本:ラレコ
アニメーション制作:ファンワークス
主題歌:「えぶりでいホスト」(EVIL LINE RECORDS)
(作詞・作曲:鬼龍院翔 、編曲:鬼龍院翔、 tatsuo、歌唱:えぶホスPlayers)
製作:えぶりでいホスト製作委員会
©ごとうにも/えぶりでいホスト製作委員会