“姉妹のいびつな絆”を描く アリアン・ラベド監督作『九月と七月の姉妹』9月5日公開決定

アリアン・ラベドが監督を務めた映画『September Says(原題)』が、『九月と七月の姉妹』の邦題で9月5日に日本公開されることが決定した。
本作は、長編デビュー作『Everything Under(原題)』で史上最年少のマン・ブッカー賞候補となったイギリスの作家、デイジー・ジョンソンの長編第2作となる『九月と七月の姉妹』(東京創元社)を映画化した“フェアリーテイル”。
ラベド監督は、『アッテンバーグ』でヴェネチア映画祭とアンジェ・プレミエール・プラン映画祭の最優秀女優賞を受賞、『欲望の航路』でロカルノ映画祭最優秀女優賞を受賞、セザール賞新人女優賞にもノミネートされるなど俳優としても活躍。初監督作品となった短編『Olla(原題)』は、カンヌ監督週間、ロンドン映画祭、テルライド、サンダンスなど、世界中の映画祭で上映され、クレルモン=フェランでは最優秀作品賞を受賞した。また、ラベド監督は『哀れなるものたち』などのヨルゴス・ランティモス監督の公私ともに渡るパートナーとしても知られる。
長編デビューとなる本作は、第77回カンヌ国際映画祭ある視点部門に公式出品され、カメラドール(新人監督賞)にノミネートされた。姉妹愛、家族の絆、遺伝、思春期、欲望、権力といった普遍的なテーマを15歳の少女、ジュライの視点を通して紡ぎ出した。ラベド監督はそれを「まるで片手に宝物を、もう片手にメスを持って手術をするような感覚」と語っている。
生まれたのはわずか10カ月違い、いつも一心同体のセプテンバーとジュライ。我の強い姉と内気な妹は支配関係にありながら、お互い以外に誰も必要としないほど強い絆で結ばれている。しかし、学校でのある事件をきっかけに、シングルマザーのシーラと姉妹はアイルランドの海辺近くにある亡父の家“セトルハウス”へと引っ越すことになる。新しい生活のなかで、次第にセプテンバーとの関係が変化していることに気づきはじめるジュライ。「セプテンバーは言うーー」。ただの戯れだったはずの命令ゲームは緊張を増していき、外界と隔絶された家の中には不穏な気配が満ちていく。
あわせて公開されたのは、原作の日本版小説の表紙デザインを担当し、小説『82年生まれ、キム・ジヨン』などの装画でも知られる画家・榎本マリコが手がけたティザーポスター。顔のない2人の少女がお揃いのワンピースを着用して一つのフレームに並んで収まる様子が描かれている。榎本は「終始圧迫感のある曇天と、閉鎖的な社会生活との狭間で光り輝く姉妹の命。でもその光は希望に満ちたものじゃなく支配欲と服従、諦念に満ちていた。姉妹の物語はその家の中で、同じ景色の中で確かに存在したことを証明したくてこの絵を描いた」とコメントを寄せた。
また、セプテンバーが“2人だけのままごと“の最中に、ジュライを獲物を射るような目線で捉えたシーン写真も公開された。

■公開情報
『九月と七月の姉妹』
9月5日(金)渋谷ホワイトシネクイント、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国ロードショー
出演:ミア・サリア、パスカル・カン、ラキー・タクラー
監督・脚本:アリアン・ラベド
原作:デイジー・ジョンソン『九月と七月の姉妹』(東京創元社刊)
配給:SANDAE
©Sackville Film and Television Productions Limited / MFP GmbH / CryBaby Limited, British Broadcasting Corporation,ZDF/arte 2024
公式サイト:https://sundae-films.com/september-says/
公式X(旧Twitter):https://x.com/september_says





















