フー・ゴーが撮影の裏側や役作りを語る 『来し方 行く末』メイキング映像公開

『来し方 行く末』メイキング映像公開

 4月25日に公開される映画『来し方 行く末』で主演を務めるフー・ゴーが制作の裏側や主人公のキャラクターについて想いを語るメイキング映像が公開された。

 第25回上海国際映画祭で最優秀監督賞と最優秀男優賞を受賞した本作は、弔辞作家の日常を題材に、人々の人生模様や死生観を繊細に織り込んだヒューマンドラマ。『チィファの手紙』や『鵞鳥湖の夜』に出演したフー・ゴーが主演を務め、同居人のシャオイン役は、『西湖畔に生きる』に出演し、本作がフー・ゴーと三度目の共演となったウー・レイが演じた。監督を務めたのは、卒業制作『牛皮(原題)』で第55回ベルリン国際映画祭カリガリ映画賞と国際映画批評家連盟賞を受賞したリウ・ジアイン。長年の思索を重ねて熟成させた14年ぶりの新作となる。

 主人公のウェン・シャン(フー・ゴー)は大学院まで進学しながら、脚本家として商業デビューが叶わず、不思議な同居人シャオイン(ウー・レイ)と暮らしながら、今は葬儀場での弔辞の代筆業のアルバイトで生計を立てている。丁寧な取材による弔辞は好評だが、本人はミドルエイジへと差し掛かる年齢で、このままでいいのか、時間を見つけては動物園へ行き、自問自答する。同居していた父親との交流が少なかった男性、共に起業した友人の突然死に戸惑う会社員、余命宣告を受けて自身の弔辞を依頼する婦人、ネットで知り合った顔も知らない声優仲間を探す女性など、様々な境遇の依頼主たちとの交流を通して、ウェンの中で止まっていた時間がゆっくりと進み出す。 

『来し方 行く末』メイキング(主演フー・ゴーインタビュー)

 本作の北京でのプレミア上映時、主人公のウェン・シャンというキャラクターとの関係性について問われたフー・ゴーは、「私は最初からウェン・シャンを受け入れる準備ができていました。なぜなら、脚本を読んだときから彼という人物が好きで、『この人になりたい』と思ったんです」と語った。その後も監督のリウ・ジアインとWeChat(※中国のチャットアプリ)を通じて脚本について意見を交わしながら、ウェン・シャンという人物のさまざまな側面を一緒に掘り下げていったという。それほどまでに彼に感情移入し、「この役がこれからの自分にも大きな影響を与えていくだろうと感じた」と明かしている。

 公開されたメイキング映像では、ウェン・シャンというキャラクターがどのように形作られていったのか、こだわりの舞台裏が映し出されている。監督、撮影監督、美術監督らが試行錯誤し、カメラのアングルからウェンの部屋にある小道具に至るまで、ウェン・シャンというキャラクターの造り上げる上で細部にまで心を配る様子に「これほど一体感のあるチームは見たことがない」とフー・ゴーが語る。現場の結束力の強さと作品づくりへの真摯な姿勢が伝わってくる。

 映像の後半では、フー・ゴーが自身の過去を振り返りながら、ウェン・シャンを演じることへの特別な想いを語る。「私も弔辞を書いたことがあります」と、かつて自分の家族を見送った経験に触れ、自身が今も多くの痛みと後悔を抱えていることを打ち明ける。そして、「だからこそ、ウェン・シャンを演じることで、過去の自分と何らかの繋がりを築ければと思っています」と静かに語る。

■公開情報
『来し方 行く末』
4月25日(金)より、新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国順次ロードショー
監督・脚本:リウ・ジアイン
出演:フー・ゴー、ウー・レイ、チー・シー、ナー・レンホア、ガン・ユンチェン
配給:ミモザフィルムズ
2023年/中国/中国語/119分/カラー/1:1.85/5.1ch/原題:不虚此行/字幕:神部明世
©Beijing Benchmark Pictures Co.,Ltd
公式サイト:https://mimosafilms.com/koshikata/

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