「生涯大切にしたいなと思える作品」 久保史緒里×平祐奈、『ネムルバカ』への思いを熱弁

現在公開中の乃木坂46の久保史緒里と平祐奈がW主演を務める映画『ネムルバカ』の舞台挨拶が、4月6日にMOVIXさいたまで開催された。
本作は、2008年に発売された、『それでも町は廻っている』『天国大魔境』で知られる石黒正数の同名コミックを実写化する青春映画。『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の阪元裕吾が監督を務めた。
主人公は、大学の女子寮の同じ部屋に住む後輩と先輩。後輩・入巣柚実を乃木坂46の久保、先輩・鯨井ルカ役を平がそれぞれ演じる。そのほか、綱啓永、樋口幸平、兎(ロングコートダディ)、儀間陽柄(the dadadadys)、高尾悠希、長谷川大、志田こはく、伊能昌幸、山下徳久、水澤紳吾、吉沢悠が共演に名を連ねている。
登壇したのは久保、平、阪元監督の3人。本作の反響について平は「(SNSで)呟いてくださっている方が多くて嬉しいです」と語り、続けて久保は「もちろん1回観てくださるだけで嬉しいことですけど、何回も観てくださっている方がすごい多いような気がしています」と話した。客席に鑑賞回数を聞くと久保の実感どおり、2回目以上鑑賞した人が多く、久保が「我こそは1番観てますっていう方は?」と尋ねると6回、さらには10回という猛者も現れた。
阪元監督は「原作物の映画は生まれて初めて撮ったんですが、ほんまに原作ファンの方にどう思われるんやろうか...…?と1番思っていたところなんです。大丈夫やったんか!って思える反応が多くて嬉しいです。原作ファンの皆様に見てもらえると嬉しいですね」と笑みをこぼした。
本作は、ちょうど1年前の4月6日がクランクインだったそうで、「ルカとピートモスがOTレコーズに行くシーンが初日だったんです」と振り返る平に、「その次の日に久保さんがクランクインで、2人のアパートで『先輩起きてくださいよー』(入巣がルカを起こすシーン)の撮影でした。『起きてくださいよ』なんて何回やったやろ? っていうぐらいやりましたよね」
と阪元監督も初日の思い出を披露。しみじみと当時のことを思い出し笑顔になる3人に会場も和やかなムードに包まれた。
舞台挨拶では、久保や平が事前に募集した観客からの質問に答える“質問タイム”も設けられた。“質問ボックス”から久保が引いたのは「原作者の石黒正数先生とお話しされる機会はありましたか?」というもの。2人は初めて完成した作品を試写会で観た際、石黒に挨拶をしたそうで、久保は「『あ! 入巣さん! ルカさん!』て呼んでいただけたのがすごい嬉しかったですね」と嬉しそうに語り、平も「一緒に見るというのはなんか、すごいドキドキだったね!」と原作者の石黒に会えた喜びを語っていた。
石黒とは撮影前からコミュニケーションを取っていた阪元監督は「バンドマンの怠惰な日常を、バンドマンのリアルを描いてほしいっていうお話があったので、原作にはないオリジナルシーンも追加させていただきました。(インディーズバンド“ピートモス”の)メンバー3人がラストシーンにエアドラムとかで入ってくるじゃないですか? それが原作ファンからしたら、「この入巣とルカ2人の話になんであの男3人が入ってくるんだ!」と怒られるかな? と思ったら意外とみんなあそこがいいんです!って言っていただけて」とラストシーンでの原作ファンの反応を少し気にしていたことが明かされた。
さらに阪元監督はあえて原作にはない、入巣も一緒に歌う演出を取り入れたそう。「どんなテンションの面持ちだったんですか?」と監督に聞かれた久保は「あの撮影はすっごい記憶に残っていて。あの日はあのライブ会場に入るだけで私はもう泣いてしまいそうで。1日中朝からずっと現場には入っていたんですが、たいちゃんのライブシーンというのを見れていなかったので、撮影の時が初見でした。とにかくもう本当にこの曲の歌詞もそうですし、なんか物理的な距離はあっても自分にだけ分かる何かっていうものをすごい感じて。距離は遠くとも1 番近くに感じたシーンだったのでぐっちゃぐちゃでした」と振り返った。
続いて平が“質問ボックス”から引いたのは「もし皆さんがルカの立場だったら自分の描いていた未来とは違うソロデビューのオファーを受けますか?」という質問。なかなかのいい質問に「すごい質問!」「誰ですか? この質問書いた方??」と全員が驚いていた。
久保は「入巣はやだやだ言ってますけど、なんか否定できるものではないというか...ルカ先輩の今までの考えを聞いて、海でのシーンの会話とかを知った上での選択なので。腑に落ちるという感じがあるから...で自分はどうなのか!? ていうね。難しい!」と悩まし気な一方、平は「1回やってみるんじゃない?? 1回はね。やめるのはね、やめようと思えばやめられる気がするし。続ける方が大変だと思いますし。やらない後悔よりやって後悔かな...…」と自身の考えを交えて返答した。
そんな2人に「監督はどうします?」と聞かれた阪元監督は「自分が朝ドラとかを撮ることになるってことですか?」と監督らしい解釈をした上で、「朝ドラは素晴らしいですけど、でも大衆娯楽が好きだから結構乗っちゃう派なんですよ。すごい尖っていると思われがちなんですけど。昔のファンの人に、僕の夢はゴジラを撮ることです。と言ったらなんか2時間ぐらい説教されたこともありました。『A。または人間』の気持ちです。なんか商業のレール乗ったなあいつ、みたいなこと言われるかもしれないですけど『ネムルバカ』でもめちゃめちゃ好き放題やらせてもらっているので、塩梅を自分の中で見つめるっていうことが大事なんじゃないでしょうか? はい、阪元でした」と答えた。これには会場からも暖かい拍手が送られた。
さらに「皆さんは今でも忘れられない思い出の曲はありますか?」という質問を引き当てた久保は、「私は『ネムルバカ』です!」と即答。「私は歌も歌ってたりするんですけど...…今迷わず言っちゃった! でも、ちょうど今日で撮影から1年じゃないですか? 本当に私は撮影していた頃から今日まで聞かなかった日はないっていうぐらい、今も現在進行形で毎日聞いてますね。『ネムルバカ』の撮影が終わった後もずっと聞いて活力にしてました。私が絶対に一番聞いてると思う。もう宝物です」と熱く語った。それに対し、平も「嬉しい! 嬉しいですね」と感謝しきり。そんな平は「私は“頑張ろう!”って思う時に聞く『僕が手
を叩く方へ』(乃木坂46)です」と久保のセンター曲を挙げた。
また、「実際にお互いにここが後輩っぽいな、先輩っぽいなと思うことありますか?」という質問も寄せられた。作中では先輩後輩の関係性の2人はプライベートでも平が年上。しかし、撮影中はずっと先輩後輩感があったものの、終わってからは全然ないことが明かされた。この日の舞台挨拶は、仙台での舞台挨拶の後、埼玉に移動して行われたのだが、久保は「(平は)先輩ですしこんなこと撮影中は言えなかったと思うんですけど……朝仙台に向かう時とかも、正直寝たいじゃないですか? 都内から仙台まで大体1時間半かかるのに、なんか1時間ぐらい寝なくてずっと喋ってて。たいちゃんに『おやすみ』って言ってもずっと喋るから、『眠れバカ!』って言ってました」と2人のやり取りを暴露しお互いに笑いあっていた。
最後に、阪元監督は「こんなにたくさんの人に来ていただいて本当に嬉しく思っております。ゴールデンウィークぐらいまで頑張っていけたらと思っておりますので、皆様是非とも感想の方ツイートしていただければと思います。映画の感想って批評など、そういうレビューみたいな少し堅苦しいイメージがあるかもしれないですが、本当に一言二言だけでもいいのでこういう思い出があったなとか懐かしいことを思い出させる映画にしたつもりですので、書いていただけたらとっても励みになります」と語った。
さらに平は「今日しーちゃんと仙台も行って。しーちゃんの地元にも行けて本当にただただ旅行しているような気分ですごい楽しいです。この映画は生きているだけで素晴らしいんだよっていう自分の今日まで生きてきたこの人生を肯定してくれるようなすごく、いろんな言葉が心に刺さる映画ができたなって思っています。私も生涯大切にしたいなと思える作品です。そしてしーちゃんと監督と素敵なキャストスタッフの皆さんと出会えることもできました。これから先も何か壁にぶつかった時は『ネムルバカ』を思い出していただけたら嬉しいなと思います。実は他のキャストの方は色々と舞台挨拶まだ予定されているそうなんですが、しーちゃんと私の2人は今日が最後らしいです。でもまたやりたい! それには皆さんの声が必要なんです。2人でまた皆さんの前でお話ができるように、いろんな口コミとか何でもいいのでお力添えいただけると、また私たちがここに立てるかもしれないので、もしよかったら引き続き応援よろしくお願いします」とコメントした。
そして久保は「今日が撮影初日からちょうど丸1年ということで、そんな日に皆さんの前でこうやって作品を届けられて、お話させていただいてることが本当に嬉しいなという風に思います。撮影は本当にちょうど1年前だったので、その頃自分たちの中で過ごしていた青春
の日々を公開という日を迎えて、それから公開3週目に入りました。今もこうしてその私たちが過ごした青春の日々を皆さんにご覧いただくことができて、皆さんの中には大学生活だったりだとか、それだけじゃなく、いろんな青春の日々だったりだとかもしくは自分が青春だと感じていなかった日々すらも実は青春だったりだとか。そういういろんな気持ちをこの映画を見て思い出したり、思い返したり、そういうきっかけになっていたら嬉しいなと思います。是非、今日はなんとなく何もなかったなとか、なんか今日終わっちゃいそうだな、みたいな日に映画館にまた立ち寄っていただけたら嬉しいです。この作品は本当にいろんな個性を持った人が出てくるので、みんなに会いにまた劇場に来てください。そんな皆さんのお力があれば私たちの舞台挨拶がまた叶うんじゃないかなと信じておりますので、ぜひぜひ!」と語り、大きな拍手に包まれながらイベントは終了した。
■公開情報
『ネムルバカ』
全国公開中
出演:久保史緒里(乃木坂46)、平祐奈、綱啓永、樋口幸平、兎(ロングコートダディ)、儀間陽柄(the dadadadys)、高尾悠希、長谷川大、志田こはく、伊能昌幸、山下徳久、水澤紳吾、吉沢悠
監督:阪元裕吾
脚本:皐月彩、阪元裕吾
原作:石黒正数『ネムルバカ』(徳間書店COMICリュウ)
音楽:立山秋航
主題歌:「ネムルバカ」(作詞:石黒正数/作曲:朝日/歌:平祐奈 as 鯨井ルカ)
制作プロダクション:Libertas
製作幹事・配給:ポニーキャニオン
©石黒正数・徳間書店/映画『ネムルバカ』製作委員会
公式サイト:https://nemurubaka-movie.com
公式X(旧Twitter):@nemurubakamovie
公式Instagram:@nemurubaka_movie































