多部未華子「小さな一歩を後押しするようなドラマに」 『対岸の家事』への熱い思いを明かす

多部未華子、『対岸の家事』への思いを語る

 4月1日からTBS系で放送がスタートする火曜ドラマ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』の主演を務める多部未華子のインタビューコメントが公開された。

  本作は、TBSで吉高由里子主演でドラマ化もされた『わたし、定時で帰ります。』(新潮文庫)の著者・朱野帰子による小説『対岸の家事』(講談社文庫)を原作としたヒューマンドラマ。

 主人公・専業主婦の詩穂は、過去のある出来事から、「家族のために“家事をすること”を仕事にしたい」と専業主婦になることを選んだ。しかし、今の時代に専業主婦は珍しく、夫が帰ってくるまでの間、長い長い昼間を娘と2人きりで過ごしていた。そんな中、ひょんなことから、働くママや育休中のエリート官僚パパなど、出会うはずのなかった人たちと交流していくことに。生き方も考え方も正反対な「対岸にいる人たち」とぶつかり合いながら、どう繋がっていくのか。

 主人公・詩穂を多部、仕事と育児の両立に悩む働くママ・長野礼子役を江口のりこ、慣れない育児に奮闘する育休中のエリート官僚パパ・中谷達也役をディーン・フジオカ、詩穂の夫・虎朗役を一ノ瀬ワタルが演じるほか、永井花奈、島袋寛子、田辺桃子、松本怜生、川西賢志郎らがキャストに名を連ねている。

 多部は本作への出演について、「自分にとって新境地だなと感じました」とオファーが届いたときに感じたことを明かす。続けて、「日常生活で起こる子育ての小さな悩みや家事の悩みなど、とてもリアルに描かれているんです。脚本では、そういったリアルな悩みの数々をポジティブに前向きに捉えられるように後押ししてくれるストーリーになっています」と作品の魅力についてコメント。

 また自身も子育てをしているからこそ共感できるところも多いようで、「『働くママとは話が合わない』『専業主婦は生きづらい』というつぶやきを見て、この作品がそんな方々にも届けばいいなと思いました。最近子どもを産んだ友人にも、ぜひ見てもらいたいと感じるほど。今まさに子どもと向き合っている方に届いてほしいです」と熱い思いを明かした。

 第1話の放送に向けては、「人生を大きく変える作品ではないかもしれませんが、小さな一歩を後押しするようなドラマになればと思いながら撮影しています。明日からも『私たちなりに頑張ろう』と思える作品になれば幸いです」とメッセージを送った。

多部未華子(村上詩穂役)

出演オファーがあった際の心境や原作を読んでの感想

子どもを持つ専業主婦という、これまであまり演じる機会のなかった役柄だったのでオファーをいただいてうれしかったです。こういう役をやりたかったと思っていましたし、自分にとって新境地だなと感じました。今の時代に専業主婦が主役というのは新しいですよね。
原作を読んだ最初の感想は「共感することが多すぎて、ドラマで描けるのかな?」でした。それくらい日常生活で起こる子育ての小さな悩みや家事の悩みなど、とてもリアルに描かれているんです。脚本では、そういったリアルな悩みの数々をポジティブに前向きに捉えられるように後押ししてくれるストーリーになっています。

詩穂を演じる中で役柄に対する印象が変わったこと

私は専業主婦ではないので、仕事があると子どものことは旦那さんに任せることが多いのですが、仕事がない時は子どもと一緒に過ごしたり、家事をしたりしているので、詩穂の専業主婦ぶりについては特段理解できないことはなかったです。
その中で詩穂が「専業主婦になりたい」と言う理由について、台本を読みながら掘り下げる作業をしています。「家族のために“家事をすること”を仕事にしたい」と専業主婦を選択した詩穂の気持ちに徐々に共感してきました。こういう考え方もあるんだなと思いながら撮影しています。

特に共感したところ

子育てをしているママたちとつながりたいという思い。私も妊娠中から子どもが0歳くらいの頃は特に感じていたことなのですが、ずっと家にこもっていると話し相手がいないんです。なので、私は自分の子どもと同じ月齢の子どもを持つママのつぶやきをよく見ていました。「なんでこんなにミルクを飲んでくれないんだろう」と思ってつぶやきを見てみると同じ思いをしている方たちがいますし、夜中の3時に起きてしまったら同じように子どもに起こされている方たちがいて。それを見るだけでも1人じゃないと思えるんですよね。「働くママとは話が合わない」「専業主婦は生きづらい」というつぶやきを見て、この作品がそんな方々にも届けばいいなと思いました。最近子どもを産んだ友人にも、ぜひ見てもらいたいと感じるほど。今まさに子どもと向き合っている方に届いてほしいです。

実際に子育てをする中で想像と違ったこと

全部違いますね。想像以上にどれも大変です。1人の人格を育てるにあたって、何が正しいのか間違っているのか分からないまま、手探りで進む毎日です。自分たちの家族なりの答えを見つけなくてはなりませんが、それが世間からずれているかもしれないし、合っているかもしれないし。だから、子育てに「分かった」と思えた瞬間は一度もないんです。栄養の与え方から何から何まで、本当に分からないことばかり。経験者に相談をしたり、YouTube動画を参考にしたりすることもありますが、それでもやっぱり分からない。でもそれ以上に子どものかわいさが上回るんです。こういった感情になったのも初めてですね。

その中で支えてくれる存在は?

母親からはプラスになることを参考にしています。でも一番は家族ですかね。特に旦那さんとは子どもが寝た後に夜遅くまで話すことがあるんです。そこで自分が考えている子どもに対する見方や育て方が合っているのか、確かめ合うわけではないけれど一番身近にいる人が同じ考え方を持って子どもと接していることが分かると良かったなと思えます。

自分の子育てとリンクするシーンは?

1話で働くママ・長野礼子さん(江口のりこ)と詩穂が対峙するシーンがあるのですが、両方の気持ちがすごく理解できました。2人が「世界からすごく孤独」だと感じる場面は、決して大げさではなく、私も本当に孤独を感じることがあります。それは、子どもとずっと向き合っている時間でも、礼子さんのように職場での居場所がないと感じる時でも同じです。
このシーンの2人のセリフは、私にとって非常に重く、誰にも話せない心境を全て吐露しているように感じました。このドラマにはそのようなシーンが多いのですが特にそのシーンは印象に残っています。

江口のりことは『これは経費で落ちません!』以来の共演

私は江口さんのテンションが大好きです。この現場では、長野家の末っ子・星夏ちゃん(吉玉帆花)を抱っこひもでずっと抱っこしているので、あまり積極的に話しかけないようにしているのですが、「抱っこひもが苦じゃない」と言っていて驚きました。私は腰が痛くなるから苦手だったのですが、本当に平気そうなんですよね。今度、本音を聞いてみます。

ディーン・フジオカとの共演について

ディーンさんはお会いする前からとてもカッコいいなと思っていましたが、実際も変わらずカッコいい方です。中谷のようにフラットで、あまり波がない感じがします。現場でまだ3人のシーンが少なく、江口さんとディーンさんのお2人が話している姿を見ていないので、どんな会話をするんだろうと興味があります。

詩穂の夫・虎朗役は一ノ瀬ワタルについて

とても素敵なパパです。苺役の永井花奈ちゃんと積極的にコミュニケーションを取っていて、パパとして娘と向き合おうとしている姿をいつも見ています。一ノ瀬さんはバルーンアートが得意みたいで、顔合わせの時から花奈ちゃんに風船で犬を作ってあげていたり、よく風船おじさんになっています。なので、花奈ちゃんが一ノ瀬さんを追いかけていますね(笑)。

苺役の永井花奈について

アニメの話をすることもありますし、この間、花奈ちゃんから絵をプレゼントしてもらったので家に飾っています。ですが、まだ距離感を模索中です。親子役なのでなあなあになってもいいとは思うのですが、1人の役者として接することも大事なのかなと思って、そのあんばいが難しいと感じています。花奈ちゃんはすごくしっかりしていてパワフルですね。他の子役の子もみんな元気いっぱいで一生懸命頑張っていますよ。しっかりと演技をする時は演技して、遊んだり、時には泣いたり。子どもらしい一面もたくさんあるので、どうやってバランスを保っているのか気になりますし、きっとご両親も大変なんだろうなと思います。

作品の見どころと視聴者へメッセージ

より多くの方、特にたくさんのご家族に届けたいと思いながら、作品に取り組んでいます。家族の形や価値観、子どもとの向き合い方、夫婦の関係などは人それぞれ違います。そんな中で、ひとつの言葉やシーンが誰かの救いになったり、共感を生んだり、家族で話し合うきっかけになればうれしいです。人生を大きく変える作品ではないかもしれませんが、小さな一歩を後押しするようなドラマになればと思いながら撮影しています。明日からも「私たちなりに頑張ろう」と思える作品になれば幸いです。

『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』の画像

火曜ドラマ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』

朱野帰子による小説『対岸の家事』を原作としたヒューマンドラマ。専業主婦の主人公・詩穂が、生き方も考え方も正反対な「対岸にいる人たち」とぶつかり合いながら、自分の人生を見つめ直していく模様を描く。

■放送情報
火曜ドラマ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』
TBS系にて、4月1日(火)スタート 毎週火曜22:00〜22:57放送
出演:多部未華子、江口のりこ、ディーン・フジオカ、一ノ瀬ワタル、島袋寛子、田辺桃子、松本怜生、川西賢志郎、永井花奈、寿昌磨、吉玉帆花、五十嵐美桜、中井友望、萩原護、西野凪沙
原作:朱野帰子『対岸の家事』(講談社文庫)
脚本:青塚美穂、大塚祐希、開真理
プロデューサー:倉貫健二郎、阿部愛沙美
演出:竹村謙太郎、坂上卓哉、林雅貴
編成:吉藤芽衣
製作:TBSスパークル、TBS
©TBS
©朱野帰子/講談社
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/taigannokaji_tbs/
公式X(旧Twitter):@taigan_tbs
公式 Instagram:taigan_tbs
公式TikTok:@taigan_tbs

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