すなくじらの「絶対食べたいグルメ」
『薬屋のひとりごと』猫猫の“媚薬”チョコレートを作ってみた 濃厚な甘みがある贅沢な一品
ドライフルーツを一つずつチョコレートに漬け込み、余分なチョコを丁寧に落としながら皿に並べていく。表面が乾くまでラップはせずに冷蔵庫で冷やす。触れてもチョコレートが指に残らない硬さになったら取り出し、仕上げにピュアココアパウダーをふるいにかけ、まぶして完成。
今回はアプリコットをはじめ、様々なドライフルーツをチョイスしてみたが、どの組み合わせも見事にマッチする。公式ではナッツも使用していたが、確かにそちらも合いそうだ。そして驚くべきは、その圧倒的な甘さ!!! 上品さの中にも脳をジワッと満たす濃厚な甘みがあり、一口食べれば“媚薬”と呼ばれるのも納得の贅沢な一品だ。
原作にも「牛乳、乳酪(バター)、砂糖、蜂蜜、蒸留酒に乾燥した果実、匂い付けの香草油。どれも栄養価の高い高級品であり、同時に強壮剤として利用されるものである」と記述がある通り、贅沢な素材がぎっしり詰まっているだけあって一口で至福の満足感を味わえる。木箱にでも並べれば、まさに「薬屋」の世界から飛び出してきたような本格的な媚薬(?)の雰囲気が漂う。
毒味スープ、串焼き、媚薬チョコと3週にわたって『薬屋のひとりごと』のグルメを作ってきたが、アニメでちらりと映るだけの料理にも素材へのこだわりや時代背景を反映した工夫が散りばめられていることに驚かされる。もちろん公式では、私のような素人でも挑戦できるよう配慮したレシピを提供してくれているのだが、実際に手を動かして作ってみると、その料理が作品内で登場する必然性(材料の入手難易度や値段、提供される場所など)がより一層実感できた。
特に『薬屋のひとりごと』の世界では、材料そのものにも薬効や由来といったストーリーが込められており、実際に調理して味わうことで物語世界への没入感が深まったことは間違いない。素材を楽しそうに組み合わせる猫猫の感覚を追体験できた“薬屋グルメ”だった。