五頭岳夫、吉岡里帆、横浜流星ら “エキストラ経験”を経てブレイクをした俳優たち

“エキストラ経験”を経てブレイクした俳優

横浜流星

『正体』©︎2024 映画「正体」製作委員会

 今の活躍を見ると意外だが、横浜流星もまたモデルとしての活動から俳優業への転向に伴いエキストラ出演も経験している。『烈車戦隊トッキュウジャー』(テレビ朝日系)での活躍を経て、『あなたの番です』(日本テレビ系)、『流浪の月』などで、シリアスな役柄にも挑戦し演技の幅を広げてきた。繊細な演技もさることながら、『きみの瞳が問いかけている』では、中学3年生の時に青少年空手道選手権大会で優勝するほどのした高い身体能力を活かし、元キックボクサーの篠崎塁を好演。鍛え上げられた身体は即席ではない、経験と努力が反映されていた。その後も『線は、僕を描く』や『ヴィレッジ』、そして『正体』など、難しいテーマを持つ作品に次々と出演し、持ち前の身体能力を活かしたアクションだけでなく、静かに感情を滲ませる芝居でも魅了している。

鈴鹿央士

『蜜蜂と遠雷』©︎2019 映画「蜜蜂と遠雷」製作委員会

 鈴鹿央士は映画『先生! 、、、好きになってもいいですか?』のエキストラとして撮影現場に参加していた際、主演の広瀬すずにスカウトされ、芸能界入りを果たしたという変わった経歴の持ち主。『蜜蜂と遠雷』や『silent』(フジテレビ系)など話題作に次々と出演し、人気俳優として一気に駆け上がっていった鈴鹿だが、今でも忘れられない作品が『ドラゴン桜』だ。同作では学年トップの成績を持つ藤井遼を演じた鈴鹿は、普段のおっりとした一面とは裏腹に、先生や東大専科のメンバーに対しても平気で暴言を吐く、物語をかき乱していく役でもあった。嫌われ役だった藤井が、次第に東大専科に心を打ち解けていく時の内面の変化を捉えた演技は素晴らしかった。『PLAY!〜勝つとか負けるとかは、どーでもよくて〜』や『スイートモラトリアム』(TBS系)、『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)と近年は主演作が続いており、確実に名優としての階段を駆け上がっている印象だ。

 エキストラとしての経験は、俳優にとって、現場の空気を理解し、演技のリアリティを高める貴重な時間でもある。どのような場面でも細部まで意識を向け、役柄に真剣に向き合うことが、のちのキャリアの礎を築く部分もあるだろう。次はどんな俳優がエキストラからブレイクするのか楽しみだ。

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