藤本隆宏「やっぱり自分が犯人では?」 疑念と信念に揺れる『クジャクのダンス』を語る

藤本隆宏、『クジャクのダンス』を語る

 毎週金曜日に放送されている『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)より、藤本隆宏のインタビューコメントが公開された。 

 本作は、浅見理都の同名漫画を実写化するヒューマンクライムサスペンス。クリスマスイブの夜に元警察官の父親を殺された娘が、遺された手紙を手がかりに真相に迫っていく。広瀬すず演じる主人公・山下心麦とともに事件の真相を追う弁護士・松風義輝役を松山ケンイチ、 殺された心麦の父・山下春生役をリリー・フランキー、春生の部下・赤沢正役を藤本隆宏、心麦の運命を左右する週刊誌記者・神井孝役を磯村勇斗がそれぞれ演じる。

 藤本が演じるのは、亡くなった春生(リリー・フランキー)とも一緒に仕事をしていた刑事・赤沢正。藤本は妻・京子を演じる西田尚美との共演について、「家庭では不器用な父親として存在していますが、西田さんが明るい方なので、救われている部分もあります。でも最近は「騙されているんじゃないか」と思ったりもして……(笑)」と笑い交じりに語った。

 今後の見どころについては、「新しいキャラクターも次々と登場し、物語が答え合わせに近づいていきます。刑事としての信念がどう変化していくのかも、ぜひ注目してほしいです」とコメントを寄せた。

藤本隆宏(赤沢正役)コメント 

赤沢を演じるにあたって

これまでも刑事役を多く演じてきましたが、その中でも赤沢は手荒な真似をする古いタイプを求められているので少し不思議な感覚です。台本には自分なら言わないようなセリフもあり、その気持ちに持っていくのが難しい部分もありますね。
また、他のキャストとは異質な存在として、演技も全く違うものを求められています。最初は「自分が犯人かもしれない」と思いながら演じていましたが、途中で「違う人が犯人かも」と感じるようになり、しかし最近になって「やっぱり自分が犯人では?」と思うようになったりと、役の中で揺れ動いています。「揺れながらも揺れていないように見せる」という意識で赤沢を演じていますが、100%迷いがないわけではないので、その曖昧さが視聴者にとって面白く感じてもらえているのかもしれません。きっと赤沢の名前が皆さんの犯人予想で上がる理由にもなっているんでしょうね。ただ、一貫して「警察としての信念を貫く」という軸は大切に演じています。

絃瀬聡一(秋貞隆雄役)の印象

自分の演技プランに合わせてくれたり、こちらの表情をしっかり見てくれていたりと、すご
く頼れる俳優です。彼も自分の道をしっかりと進みながらも、こちらを見てくれているなと
感じます。同じ福岡出身ということもあり心強いですし、撮影の合間も後輩として接してく
れます。

初共演となる広瀬すずの印象

悲しみの表現が非常に上手な女優さんです。目の奥にある芯の強さや、悲しみを堪えている
演技が素晴らしく、見ていると吸い込まれるような感覚になります。心麦ちゃんという役柄
にもぴったりで、芝居がしやすいです。

赤沢にとっての心麦の存在

先輩の娘として気にかけているつもりですが、セリフの中ではそうは思えない言葉も多くて苦しい部分もあります。「お前はな……」と冷たく言う場面では、心の中で「ごめんなさい」と思いながら演じていることもあります。でも、決して心麦ちゃんにとって邪魔な存在ではなく、純粋に心配している。ただ言葉選びが下手な刑事として見られるよう意識して演じています。

西田尚美(赤沢京子役)、野村康太(赤沢守役)への印象

家庭では不器用な父親として存在していますが、西田さんが明るい方なので、救われている部分もあります。でも最近は「騙されているんじゃないか」と思ったりもして...(笑)。野村くん演じる守も何か重要な鍵を握っているだろうと思っているので、芝居を観察するようにしていて。でも自分が犯人かもしれないので、なんとも言えないです(笑)。(自分が出演している)ドラマでこんなに(誰が犯人なのか)分からないことってなかなかないですよね。

これまでの放送で印象に残っているシーン

手を見つめたり、目のクローズアップなど、パーツに焦点を当てた演出が印象的です。また、色合いの美しさは際立っていると感じますし、音楽の使い方も素晴らしいですね。1 話を見たときに、「こんなに素敵な作品に出演できているんだ」と改めて実感しました。キャスト・スタッフのチームワークの良さも感じられ、本当に素晴らしい作品だと思います。

何かを信じるときに大切にしていること

信じる、信じないではなく、「信じることの心地よさ」を大事にしています。たとえ騙されても、信じられることがあるのは幸せなことだと思うんです。ドラマでは、心麦ちゃんが(父親の)山下さんを信じ続ける姿がとても素敵ですよね。その気持ちには共感できますし、「疑わずに信じる力」というのは美しいものだなと感じます。赤沢が信じているのは...やっぱり「正義」でしょうか。

今後の見どころ

今後は回想シーンが増え、松山ケンイチさん演じる松風義輝や山下さんとの関係が明らかになっていきます。自分の生い立ちが描かれるわけではありませんが、過去の出来事が今の赤沢を作ったことが伝わる展開になっていると思います。
また、新しいキャラクターも次々と登場し、物語が答え合わせに近づいていきます。刑事と
しての信念がどう変化していくのかも、ぜひ注目してほしいです。

『クジャクのダンス、誰が見た?』の画像

金曜ドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」

「このマンガがすごい!2024」にもランクインした浅見理都の同名漫画を実写化するヒューマンクライムサスペンス。クリスマスイブの夜に元警察官の父親を殺された娘が、遺された手紙を手がかりに真相に迫っていく。

■放送情報
金曜ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:広瀬すず、松山ケンイチ、森崎ウィン、瀧内公美、絃瀬聡一、野村康太、清乃あさ姫、斉藤優(パラシュート部隊)、酒井敏也、酒向芳、藤本隆宏、西田尚美、仙道敦子、原日出子、リリー・フランキー、磯村勇斗
原作:浅見理都『クジャクのダンス、誰が見た?』(講談社『Kiss』所載)
脚本:金沢知樹
プロデュース:中島啓介、内川祐紀、丸山いづみ
演出:田中健太、青山貴洋、福田亮介、棚澤孝義
主題歌:Ado「エルフ」(ユニバーサル ミュージック)
製作:TBSスパークル、TBS
©TBSスパークル/TBS

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