『まどか26歳』『119』『べらぼう』など、冬ドラマに声優が大渋滞 “演技のプロ”たちの力

ここ最近、ドラマに実力派のベテラン声優が顔出しで出演するケースが相次いでいる。前クールでは、『ウイングマン』(テレビ東京系)に『DEATH NOTE』の夜神月役などの代表作がある宮野真守が出演して話題となった。だが、今クールはその比ではない。ざっと列挙してみよう。
『相続探偵』(日本テレビ系)と『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS系)には、『ONE PIECE』のルフィ役などで知られる田中真弓がいずれも第1話のゲストとして出演している。同じクールのドラマで第1話のゲスト俳優が被るのは珍しいケースだ。『相続探偵』では人のいい家政婦、『まどか26歳、研修医やってます!』では人のいい患者を演じた。田中は2024年度前期のNHK連続テレビ小説『虎に翼』で女中の稲を演じていたのも記憶に新しい。なお、『まどか26歳、研修医やってます!』には、大塚明夫と大谷育江が人形劇の人形役で声の出演をしている。

『プライベートバンカー』(テレビ朝日系)の第1話には、『宇宙戦艦ヤマト』のアナライザー役や『名探偵コナン』の阿笠博士役などを演じてきた声優歴55年の大ベテラン、緒方賢一がゲスト出演した。長年のキャリアの中でもドラマへの顔出し出演は数えるほどで、声を聞いて初めて緒方の出演に気付いた視聴者も多かったようだ。

日曜劇場『御上先生』(TBS系)の第1話には、『ハイキュー!!』の及川徹役などを演じた浪川大輔が予備校の講師役で出演。第4話には、『ドラえもん』のスネ夫役などで知られる関智一が東雲温(上坂樹里)の父親役で出演している。関は日曜劇場の『アンチヒーロー』にも顔出しで出演していた。
『問題物件』(フジテレビ系)の第5話には、『うたの☆プリンスさまっ♪』で来栖翔役を演じた下野紘と、『ソードアート・オンライン』でアスナ役を演じた戸松遥が夫婦役で出演している。
極めつけが『119エマージェンシーコール』(フジテレビ系)だ。第1話には、『進撃の巨人』のエレン・イェーガー役などで知られる梶裕貴がネットカフェから通報する男性の役で出演。第4話には、『Fate/Grand Order』の藤丸立香役などで知られる島﨑信長と『スマイルプリキュア!』のキュアマーチ役などで知られる井上麻里奈が夫婦役で出演した。
ほかにも同ドラマには声だけの通報者が毎回登場しており、『呪術廻戦』の虎杖悠仁役で知られる榎木淳弥、『デビルマン』の不動明役などを演じた田中亮一のほか、釘宮理恵、檜山修之ら数多くの声優が起用されている。今後誰が登場するのか、声優ファンは楽しみだろう。

NHK大河ドラマも負けてはいない。2024年の『光る君へ』には、『美少女戦士セーラームーン』の月野うさぎ役で知られる三石琴乃が出演していたが、2025年の『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』にも『ONE PIECE』でロロノア・ゾロ役を演じる中井和哉、『名探偵コナン』で小嶋元太役を演じる高木渉、関智一が出演。高木渉は『真田丸』、『青天を衝け』に続いて3度目の大河出演となる。
また、ドラマではないが、現在公開中の映画『トリリオンゲーム』には、『呪術廻戦』の七海建人役などの代表作を持つ津田健次郎がテレビシリーズに引き続いて出演している。津田は『あなたのブツが、ここに』(NHK総合)や『大奥 Season2』(NHK総合)など数多くのドラマに顔出しで出演してきた。
なぜ人気声優がドラマに起用されるようになったのか。答えは明快だ。