韓国ファンタジーホラー『第五胸椎』2025年2月14日公開 清水崇、髙城晶平らのコメントも
パク・セヨン監督の長編デビュー作『第五胸椎』が、2025年2月14日より新宿バルト9ほかで全国公開されることが決定した。
本作は、ハイブランドのファッションフィルムなどを数多く手がけてきたパク・セヨン監督の長編デビュー作となるファンタジーホラー。
キャストには、『ユミの細胞たち』などのパク・ジヒョンのほか、ムン・ヘイン、ハム・ソギョンらが名を連ねた。
一緒に暮らしているカップル。 部屋に置かれたマットレスからある日、カビが咲く。2人の部屋からラブホテル、病院……各地を転々と彷徨うカビの旅が始まる。カビは旅の途中出会う人々の心臓から近い第五番目の胸椎を奪い、マットレスの中で吸収した背骨と学んできたさまざまな気持ちで自ら人間のように形を作り上げる。その塊りは静かにカビの、マットレスの深いところに沈む。
あわせて公開された30秒予告は、美しくもどこか不気味さを帯びている世界観の中にあるマットレスから、咲くように誕生するカビを追う映像となっている。
さらに、パク・セヨン監督のコメントと、『呪怨』『ホムンクルス』などを手がけた映画監督の清水崇、A24製作映画などのビジュアルデザイン担当しているアートディレクターの石井勇一らの応援コメントも公開された。
パク・セヨン(監督)コメント
別れた人々の間に残されたモヤモヤ、恨み、約束と呪いはどこへ行くのか?
これらの抽象的な塊は、恋人が「生息」していたベッドで混ざり合い、カビを咲かせる。
カビのマットレスは旅をしながら、様々な感情に出会う。
この旅を続けることでこれらの塊が行き着く先、さらにそこで何が待っているのかを
垣間見ることができるかもしれない。
コメント
清水崇 (映画監督)
何じゃこりゃ!? ジトジト侵食してくる...
とち狂ったホラーか? 哀しきアートか!?
考えるな。感じろ! ......ヌメヌメ感じろ!!
我々は既にソイツに横たわっているのかもしれない......
石井勇一 (アートディレクター)
予想を超えた展開に終始驚嘆した。かつてシネマライズ時代に熱狂した
湿度の高い強度が、ここには息づいている。
ミクロな映像美とサウンドからは想像もできなかった、
愛と創造のマクロ的視点の世界に酔いしれた。
髙城晶平(音楽家、cero ボーカル)
「人生はクローズアップすれば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」と、チャップリンは言った。
では、この映画がクローズアップで映しているものは何だろうか?
過剰すぎる拡大は悲劇すら超えて、ただ現実を映している。
冨手麻妙 (女優)
カビの花を咲かせるにはこれ以上の環境はないでしょうと言わんばかりの、
ひたすら湿っていて憂鬱で哀しくて寂しい世界が続く。
せっかく花ひらいたカビは避けられ嫌われ逃げられ捨てられる。
人々の負のエネルギーをたっぷり吸い取り育ったカビは、
人が堕ち、苦しみ、死んでゆく時、ほんの少しの希望を手に入れる。
カビが主人公とするならば、この映画は大成長物語でありハッピーエンドだ。
くれい響 (映画評論家)
岩井俊二監督の初期短編を思い起こさせる、ジャンルを超えた独自の視点と狂気にも似た美学。
もはや、実験的というワードでは収まりきれない、
韓国映画界の新たな才能が仕掛ける65分間を全身で体感せよ!
■公開情報
『第五胸椎』
2025年2月14日(金)新宿バルト9ほか全国公開
出演 :パク・ジヒョン、ムン・ヘイン、ハム・ソギョン
監督・撮影・ 編集:パク・セヨン
プロデューサー:パク・セヨン、パク・ジヒョン
配給:ティ・ジョイ、DCP
©THE FIFTH THORACIC VERTEBRA