上原あまね、念願の連ドラ出演で変化した芝居への思い　「生きがいと言ってもいいくらい」

　桂正和の伝説的漫画作品が実写化された『ウイングマン』（テレビ東京系）が現在放送中だ。そんな本作に、ヒーロー好きな明るい女の子・森本桃子役で連続ドラマレギュラー初出演を果たしいるのが上原あまねだ。プレッシャーと向き合いながら挑んだ撮影、役作りの裏話をはじめ、自身のキャリアや未来の目標についても赤裸々に語った。

『ウイングマン』桃子役がもたらしたポジティブマインド

――本作で、連続ドラマレギュラー初出演ですね。

上原あまね（以下、上原）：ドラマに出ることがずっと夢だったので、「決まったよ」と聞いたときには涙が出るくらい嬉しかったです。『ウイングマン』は長く愛されている作品なので、もちろんプレッシャーもありましたが、「今、私にできる全力で演じよう」という強い気持ちで撮影に挑みました。

――オーディションを受けた際の手応えはどうだったのでしょう？

上原：受かるかどうか、まったくわからなかったです（笑）。でも、オーディションで桃子を演じたときに、「桃子をやりたいな」とすごく思ったんです。台本を読みながら早く桃子を演じたくてワクワクしていたので、クランクイン前は緊張や不安よりも楽しみのほうが大きかったです。

――役作りについても聞かせてください。

上原：桃子はヒーローが大好きな女の子なので、まずは特撮ヒーロー系のドラマを観たり、調べたりしてヒーローの勉強をしました。あとは、監督をはじめスタッフさんにも特撮に詳しい方が多かったので、わからないことがあったら周りの方に聞くようにして。桃子はヒーローについて語り始めると、マシンガントークが止まらなくなるんです。早口で喋るシーンもあるので、滑舌の練習をたくさんしました。

――実際、そのシーンの撮影はいかがでしたか？

上原：練習の甲斐あって、無事にうまくいきました（笑）。第4話で初登場するシーンが、宮野真守さんの目の前でマシンガントークをする場面で。本当に緊張したんですけど、宮野さんからも「すごいね」「上手だね」という言葉をいただけたので、楽しく演じることができました。

――ものすごい緊張感だったと思いますが、ふだんからポジティブなタイプですか？

上原：もともとそういうタイプではなかったのですが、この1年で自分の中でもいろいろなことをポジティブに捉えられるようになってきたなと実感しています。周りからも「最近、明るくなったね」とよく言われるようになりました。

――何かきっかけが？

上原：桃子を演じながら本当に元気をもらっていたので、“桃子のおかげ”というのもあると思います。お仕事やレッスン終わりに落ち込むことがあっても、「それを反省して次に活かそう」と前向きに捉えられるようになったので、自分自身にすごくいい影響がありました。

――共演者のみなさんとはどんなふうに過ごしていましたか？

上原：布沢久美子役の片田陽依ちゃんは、虫が大好きな子ですごく詳しいんです。撮影では自然のある場所にも行ったので、虫がくっついてきたり、近くに飛んできたりすると、すぐに「◯◯虫だ！」って（笑）。虫が衣装についちゃったときにもピッと取ってくれたりして、みんなも虫トークで盛り上がっていました（笑）。

――その道に詳しい人がいると楽しいですよね。虫への意識も変わりました？

上原：虫に関しては、苦手なままです（笑）。そこはちょっと克服できなかったですね。

――（笑）。撮影する中で、共演者から刺激を受けることもたくさんあったのではないでしょうか。

上原：主演の藤岡（真威人）さんやヒロインの（加藤）小夏さんが現場をいつも明るく盛り上げてくれて、スタッフのみなさんともたくさんコミュニケーションを取られていて。私もいつか主演やヒロインをやらせていただいたときに、こんな佇まいができたらいいなと思いました。

――現場にも共演者にも恵まれたんですね。

上原：「桃子すごくよかったよ」と言ってくださる方もいて、本当にみなさんのおかげです、と思いながら。撮影現場に行くこと自体が楽しかったので、クランクアップのときには「桃子でいられるのが最後なんだ」「もうみんなと撮影できないんだ」と思って、すごく寂しかったです。

――それくらい充実した時間を過ごされたんですね。演じる桃子は元気で明るい女の子ですが、上原さんご自身は？

上原：第一印象では「落ち着いてる」とか「おとなしい」と言われることが多いんですけど、仲のいい子や家族の前だと、桃子くらい元気な一面もあります（笑）。なので、意外と等身大の自分のまま演じることができたかなと思います。

――桃子はアクション演劇部で高校生活を謳歌していますが、上原さんはどんな学生時代を過ごしていましたか？

上原：中学に入学してすぐにこの仕事を始めたので、学校と仕事場を行き来しながら、約6年間はアイドルグループに全力を注いでいました。コロナ禍もあって、あまり学生らしい青春ができなかったので、今回ドラマの中で“THE　青春”という時間が過ごせて本当にうれしかったです。