『おむすび』佐野勇斗「証明してやっから!」が心を揺さぶる 結が夢で見た歩との“思い出”

『おむすび』夢の中で蘇った歩との“思い出”

 『おむすび』(NHK総合)第28話で、結(橋本環奈)は校内で風見(松本怜生)と恵美(中村守里)が書道コンクールで受賞したことを知る。一時、感慨にふけるその顔は、翔也(佐野勇斗)から指摘されたような「寂しそうな顔」をしていた。「また一緒にやらん?」と誘う風見のことも、ハギャレンのリサポン(田村芽実)のことも避けようとする結だが、リサポンから手渡されたプレゼントに感情がこみ上げる。

 翔也の前で「みんな……いつか消えてしまうけん」と口にした結は、失うことへの恐れからギャルも書道も手放そうとしている。だが、ハギャレンのメンバーが結のために作ったプレゼントが、結の心の奥にある、一生懸命やってみたいという気持ちをかき立てた。

 結はまだ自分の心に正直になっていないが、「うちはもう何もやらん」とムキになる結にまっすぐ向き合う翔也の姿勢は印象的だった。「おめに、言いてえことあんだ」と言う翔也は、来年こそ必ず甲子園へ行くと結に決意を述べる。話が読めない結は「勝手に行けばいいやん」と言ってその場を立ち去ろうとするが、翔也は続けた。

「俺が一生懸命やることの意味を証明してやっから!」

 「一生懸命やっても意味ないけん」という結の言葉がひっかかっていたのだろう。結には「熱血スポーツ漫画かよ」「あんた熱すぎてウザい」と煙がたられてしまったが、自ら行動を起こすことで意志を伝えようとする翔也の特徴的な人物像が伝わってくる場面だった。翔也のキャラクターは、夢中になれそうなものから距離を取りがちな結の心を確かに揺さぶっているはずだ。

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