みりちゃむの芝居は“ロナウジーニョ”? 『おむすび』CPが若手キャストの起用理由を明かす

『おむすび』若手キャスト陣の起用理由

 NHK連続テレビ小説『おむすび』が現在放送中。平成元年生まれの主人公・米田結(橋本環奈)が、どんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、栄養士として人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”。

 本作で結を演じる橋本のキャスティングはオファーによるものだが、同じくオファーで抜擢されたのが、書道部の先輩・風見亮介を演じる松本怜生だ。

 制作統括の宇佐川隆史は「“THE 王子様”ってどんな存在だろうと。私たちの中では“ジブリの先輩”のようなイメージでした」と目指した“風見先輩像”を語る。

「『正直不動産』で同じくプロデューサーをしていた先輩が、時代劇(『あきない世傳 金と銀』)を制作していて、面白そうだなと思って見たら、いたんですよ、そこに。『風見先輩がいる』と思いましたね。特異性のある王子様感が必要だなと思っていたときに松本さんをお見受けして、チームで相談した上で、1本釣りさせてもらいました」

 風見は一見クールなようで、興味のある事柄については熱く語るなど掴みどころのないキャラクター。宇佐川は「松本さんは演技も素晴らしく、TBSさんの『下剋上球児』のライバル投手役での堂々としたお芝居を見て、既にその時にはオファー済でしたが、『やっぱりこの人になら託せる!』と改めて確信しました。ちなみに、ご本人はすごく気さくな方で、『ハイキュー!!』というバレーボール漫画が大好きで、いわゆる自分の好きなものを持っている。現場でその作品の良さを出演者に語ったり、アニメの主題歌を大声で歌ったりもしていて、そういう素敵でかわいらしいところも、好きなものを目の前にすると豹変する風見先輩と、うまく合っていたと思っています」と配役に自信を見せた。

 一方、本作では若手キャストを抜擢するための大規模なオーディションも実施。女性1864件、男性391件という応募の中から、結の幼なじみである陽太役の菅生新樹、そして、ルーリー役のみりちゃむをはじめとするハギャレンメンバーが選ばれた。

 菅生の起用について、宇佐川は「一言で言うと、“素朴という才能”だと思います」と説明する。

「お芝居であって、お芝居でない。若い人にはそういう今しか出せない魅力があると思っていて、この作品ではそこを見てもらいたいと思っています。菅生さんは自分と陽太が地続きになっていて、それこそが陽太には必要なんじゃないかなと。まさに“糸島の人”を体現する存在であり、菅生さん自身も愛される存在だと感じて起用しました」

 さらに宇佐川は「歩き方から陽太でした」とオーディションを回顧。その印象は今でも変わらないといい、「決して馴れ馴れしいわけではないのに、『おはようございます』という朝の挨拶から、もう陽太なんです。よく役者さんを表現するときに『◯◯がそこにいる』という言い方をしますが、彼もまさにそういうタイプ。でも、実はしっかりと役について考えていて、それをアウトプットするときに、自分の力をちゃんと使っている。自分の存在感や、みんなの受け止め方をわかった上で、それを表現しているところがすごいなと思います」と感嘆した。

 ルーリーを演じるみりちゃむは、ほとんど演技未経験。宇佐川は「みりちゃむさんは、みなさんもご存知のように本物の令和ギャル。ですが、私が最終的に選んだ理由はお芝居でした」と明かす。

「オーディションでは、ギャルをやめようかどうか迷っている役を演じてもらったのですが、一言目から心を奪われる芝居をされていました。これは起用を決めたあとの出来事ですが、なぜああいった芝居ができたのかと聞くと、『友達に似たような境遇の子がいたので、その子を思い浮かべていた』と。彼女はそういった自分の経験を、素直にお芝居に反映できる方なんだと感動しました」

 加えて、宇佐川は「ルーリーは大きな役ですが、お芝居の経験が少ない彼女がそこを乗り越える過程を見せていく、ということも朝ドラの使命、役目なんじゃないと思っています」と新人発掘のやりがいを語る。

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