チェッカーズなぜ伝説に? 幻のライブ『1987 GO TOUR at 中野サンプラザ』を目撃せよ!

 2023年にデビュー40周年を迎えたチェッカーズの幻のライブ『チェッカーズ 1987 GO TOUR at 中野サンプラザ』が、10月6日からCSホームドラマチャンネルにてテレビ初放送される。同映像は、昨年新たに発掘された素材にデジタルレストアを施したもの。2024年3月に全国の映画館で公開され大きな反響を呼んだが、2週間の期間限定だったため、タイミングが合わず涙を飲んだファンも多かった作品だ。

 1987年当時のチェッカーズはチャート1位を連発する人気絶頂期で、その人気ぶりはスケジュールにも表れており、この『GO TOUR』はその年の春・夏・冬に分けて計80公演が開催された(ライブ映像は、5日連続で行われた中野サンプラザ公演の4日目の模様)。その他にもロンドン公演が行われ、同年はツアータイトルにもなっている5thアルバム『GO』をはじめ、『I Love you, SAYONARA』など3枚のシングルがリリースされた。また“Cute Beat Club Band”という別名義でのライブやシングル『7つの海の地球儀』のリリースも行われていた。

 このライブは、オープニングナンバー「REVOLUTION 2007」をはじめ、初めてメンバーのみで全作詞・作曲を手がけたアルバム『GO』から数多くの楽曲が披露された。彼らが得意とするロックンロールをベースにしながら、ソウル、ファンク、ジャズ、ブルースなど多彩なブラックミュージックを消化しながら、その時代の音と息吹を落とし込んだ意欲的な作品だ。そんなアルバムを中心に、ヒット曲がちりばめられたライブは、当時のチェッカーズの勢いと熱が、約2時間半息つく暇もなく詰め込まれている。

 真っ暗なステージにシンバルの軽快なリズムが鳴り響き、「Hello Everybody we are Checkers. Are you ready? Come on! Let's Go!」と藤井郁弥の声が響き、同時にブルースハープが吹き鳴らされる。アルバムの1曲目に収録された「REVOLUTION 2007」で幕を開けたライブは、冒頭から軽快なナンバーが次々と繰り出され観客は熱狂した。「ベイビー踊ろうぜ!」と声をかけた、グルーヴィーなダンスチューン「恋のGO GO DANCE!!」。スリリングなアッパービートに乗せて繰り広げられる「TOKYO CONNECTION」。まるでダンスをするように、身振り手振りを織り交ぜながら熱唱する藤井郁弥。サイドボーカルの高杢禎彦と鶴久政治は、コーラスをするだけに止まらず、リズミカルにステップを踏むなどパフォーマーとしてもステージを華やかに彩り、時にはメインボーカルも務めた。「悲しきアウトサイダー」では高杢が青春の儚さをエモーショナルに歌い上げ、鶴久がメインボーカルの「MELLOW TONIGHT」では、甘い歌声とムーディーなサウンドが会場をそっと優しく包み込んだ。

 1986年に公開されたチェッカーズの主演映画第2弾『チェッカーズSONG FOR U.S.A.』のコーナーでは、しっとりとした空気が会場を包み込んだ。藤井郁弥がギターをかき鳴らしながらミディアムバラードの「Song for U.S.A.」を切なく歌い上げ、弟の藤井尚之のムーディーなサックスが色を添える。続いて同映画のサントラ盤に収録の「裏通りの天使たち」では、藤井郁弥のエモーショナルな歌声が会場に響き、会場は静かに聴き入った。

 美しいハーモニーを聴かせた「MY GRADUATION」を歌った時のMCでは、「16、17、18歳の、ハイスクール時代のプラトニックな恋愛を歌った楽曲。チェッカーズのメンバーと出会ったのもこの頃」と話し、各メンバーとの出会いやその時の印象をユーモア交じりに話し、会場は和やかな雰囲気で包まれた。まるで学生時代に戻ったかのように笑い合いながら、チェッカーズの結成秘話に花を咲かせるメンバーの様子は、ここでしか観ることができない貴重なシーンだろう。

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