ハリウッド夏商戦、ディズニーが完全勝利 ワーナー・ブラザースと明暗分けた要因は?

ハリウッド夏商戦、ディズニーが完全勝利

 ハリウッドのサマーシーズンが終わりを迎えた。2024年夏の北米映画市場は、累計興行収入およそ36億6000万ドルで、『バービー』と『オッペンハイマー』が大ヒットを記録した前年と比較するとマイナス14.3%。コロナ禍以前の2019年比はマイナス26.6%となった。

 全米脚本家組合&全米映画俳優組合によるストライキの影響を受け、初夏商戦が壊滅的なダメージを負ったことを思い出せば、「よくぞここまで持ち直した」と言える数字だ。復活のカギを握ったのは『デッドプール&ウルヴァリン』や『インサイド・ヘッド2』、『猿の惑星/キングダム』、『エイリアン:ロムルス』とヒット作を連発したディズニーだった。

 8月30日〜9月1日の週末は、翌2日が祝日のレイバー・デー。ただし、いよいよ夏が終わるとあって人々の関心がほかの分野に向かうため、この連休の映画館は例年やや客足が鈍くなる。

『デッドプール&ウルヴァリン』©MARVEL 2024

 その傾向は今年も変わらず、週末ランキングの第1位は『デッドプール&ウルヴァリン』。6週中5週にわたって首位をキープし、北米興収は連休終わりに6億ドルを突破する。北米では歴代興収第16位、スーパーヒーロー映画としては歴代第6位で、2024年公開作品では『インサイド・ヘッド2』に続き第2位。世界興収も12億6220万ドルとなった。

『エイリアン:ロムルス』©2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 また、第2位は『エイリアン:ロムルス』。週末3日間で932万ドル、月曜まで含む4日間では1150万ドルを稼ぎ出し、北米興収は1億ドル超えが見えてきた。

 スタジオ別で今夏No.1となったディズニー(※ピクサー、マーベル・スタジオ、20世紀スタジオを含む)は、5月3日から9月2日までのサマーシーズンで15億3000万ドルの興行収入を記録。『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』や『ホーンテッド・マンション』などが苦戦した前年の累計興収が6億9200万ドルだから、実に2倍以上の売り上げとなった。

 No.2はユニバーサル・ピクチャーズの7億5460万ドルで、ディズニーのおよそ半分。『オッペンハイマー』があった前年は6億1600万ドルだったが、『ツイスターズ』や『怪盗グルーのミニオン超変身』のヒットを受けて前年比プラス23%と成績を伸ばした。

 No.3は『バッドボーイズ RIDE OR DIE』と『It Ends With Us(原題)』が健闘したソニー・ピクチャーズ。スカーレット・ヨハンソン&チャニング・テイタム主演『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』などが苦戦したものの、今夏の興行収入は5億2040万ドルとなった。

 そんななか、辛酸をなめたのがワーナー・ブラザースである。春商戦こそ『デューン 砂の惑星PART2』と『ゴジラxコング 新たなる帝国』の大ヒットで一人勝ちに近かったが、サマーシーズンは『マッドマックス:フュリオサ』の不発にはじまり、ヒット作に恵まれず、累計興収は1億7000万ドル。『バービー』があった前年の8億7700万ドルに比べるとマイナス81%もの大暴落となった。

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