『笑うマトリョーシカ』玉山鉄二が見せた涙と激情 鈴木が清家に“裏切られる”結果に
『笑うマトリョーシカ』第6話(TBS系)のテーマは、「揺らぐ友情」と言っても過言ではないだろう。第6話放送を前に、番組公式Instagramでは、佐々木(渡辺大)が経営する日本料理店「春吉」赤坂店の前で、凛としたスーツ姿の玉山鉄二と櫻井翔の2ショットの公開も話題になっていた。
物語に置き換えてみても、洗練された和食店の外観を背景に、政治家となった鈴木(玉山鉄二)と清家(櫻井翔)が凛々しく立つ姿は、一見“完璧”だ。しかし、そんな裏では……という清家と鈴木の関係を紐解く第6話を象徴するかのようだった。
第6話では、清家がついに官房長官に就任する。「ありがとう、俊哉くん。やっと2人でここまできたね」と清家が語りかけ、2人は熱く抱擁を交わす。彼らの政治的野心と友情が結実した瞬間に、鈴木は胸が熱くなるのを感じる。しかし、この喜びの陰で、浩子(高岡早紀)という存在が2人の関係に影を落とそうとしていた。
今回も、これまでのエピソード同様、高校時代の回想シーンが挿入された。しかし第6話で描かれたのは、清家が珍しく鈴木の「言うことを聞かなかった」というエピソードだった。これまで、ブレーンである鈴木の助言に忠実に従ってきた印象の強い清家だが、高校の生徒会選挙では異なる一面を見せたのだった。
回想シーンでは、清家の実父である和田島の演説を参考に、鈴木が生徒たちの心を掴むような巧みな演説を練り上げる様子が描かれる。そして彼は、高校生たちに引かれないよう、壇上に立つ清家に「感極まっても泣くな」と忠告する。しかし、演説本番で清家はこの忠告を破り、感情を抑えきれずに涙を流してしまうのだった。予想外の展開ではあったが、結果的に清家の素直な感情表現が聴衆の心に響いたようで、その演説は大きな反響を呼んだ。そしてこの回想は、後に重要な意味を持つ事になる。
一方、ヒトラーの危険思想を持つ浩子が清家を背後から操っているという確信を深めた道上(水川あさみ)は、このまま清家にさらなる権力を持たせることへの危機感を募らせていく。BG株事件に関する機密情報が記されたノートの紛失が、実は浩子の策略であったと推測する道上は、鈴木に対して浩子について知っている情報を全て話すよう、必死に説得を試みる。