『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』“血の収穫”に新たな解釈 ドラゴンがシリーズ“真の主役”に
『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』ではこれまでのシリーズ以上にドラゴンの巨躯が強調され、天を仰ぐカメラに人間たちの畏怖が宿る。亡きジェヘアリーズ王の愛竜ヴァーミサーの迫力と、個体ごとに異なる鳴き声の精緻なサウンドデザインは、できる限り良い視聴環境で堪能してもらいたい。『ゲーム・オブ・スローンズ』ではドラゴン1頭を登場させるだけで莫大な制作費を必要としたと言われているが、本エピソードに限って言えばなんと5頭も登場する。ちなみに原作ではこの時点でさらに3頭のドラゴン「シープスティラー」「カニバル」「グレイゴースト」の存在が言及されており、今後テレビシリーズにも登場するのか注目だ。ヒュー、アルフら新たな騎竜者がドラゴンの存在感に及ばないのは気がかりだが、ラストシーンの揃い踏みを見れば、視覚効果チームによって入念に創造されたドラゴンこそが本シリーズの真の主役と言えるだろう。
ようやく河川地帯(リヴァーランド)を平定しても、今度は年端もいかない少年領主にコケにされてしまうデイモン(マット・スミス)や、ほとんど語られるべき物語を失ってしまったように見えるアリセント(オリヴィア・クック)など、相変わらず脚本の不足が目立つものの、次回はいよいよシーズン最終回である。大幅に戦力増強した黒装派が戦局を覆し、レイニラを勝利へと導くのか? ドラゴンによる群舞が繰り広げられることを期待したい。
■配信情報
『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン シーズン2』
U-NEXTにて配信中(毎週月曜1話ずつ配信)
出演:エマ・ダーシー(CV:早見沙織)、オリヴィア・クック(CV:坂本真綾)、マット・スミス(CV:津田健次郎)、トム・グリン=カーニー(CV/武内駿輔)、スティーヴ・トゥーサント(CV:大塚明夫)、イヴ・ベスト(CV:井上喜久子)、ユアン・ミッチェル(CV:新祐樹)、ファビアン・フランケル(CV:諏訪部順一)、ソノヤ・ミズノ(CV:種市桃子)、リス・エヴァンス(CV:大塚芳忠)、ハリー・コレット(CV:大塚剛央)、ベサニー・アントニア(CV:櫻庭有紗)、フィービー・キャンベル(CV:のぐちゆり)、フィア・サバン(CV:内田真礼)、ジェファーソン・ホール(CV:遠藤大智)、(CV:武藤正史)
共同企画・製作総指揮:ジョージ・R・R・マーティン
共同企画・ショーランナー・製作総指揮:ライアン・コンダル
製作総指揮:サラ・ヘス、 アラン・テイラー、 メリッサ・バーンスタイン、 ケヴィン・デラノイ、ロニー・ペリステア、ヴィンス・ジェラルディス
原作:ジョージ・R・R・マーティン『炎と血』
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