『笑うマトリョーシカ』鈴木と浩子がまさかの肉体関係 物語の鍵を握る“清家の“言葉を考察
第5話では、浩子と清家の不気味な関係が浮き彫りになった。一方で、ドラマを通じて繰り返し登場する言葉にも注目が集まっている。清家が初当選した際に飾った「生者必滅会者定離」という言葉だ。
この言葉の意味は、「生ある者は必ず死に、出会った者は必ず別れるのがこの世の定めである」。清家の「僕はもう、二度と大切な人を失いたくないんだ」という言葉とも呼応し、彼の内なる闇を象徴しているようだ。
ちなみにこの言葉の由来は、生後わずか1週間で生母を失った釈迦が、生と死、出会いと別れの儚さを悟った仏教思想である。生後わずか7日で生母を失った釈尊は、その後は母の妹に育てられ、王子として何不自由ない豊かな環境で成長したという。そう思うと、母と子の絆についてだけでなく、どこか清家が推進する「里親制度」の部分にも重なってきそうな言葉でもある。
しかし、ドラマの文脈でこの言葉を考えると、新たな疑問が浮かび上がる。そもそも「生者必滅会者定離」は本当に清家自身の大切にしている言葉なのだろうか。それとも、彼を操る誰かの思想なのか。現在進行中の「ハヌッセン探し」とも絡み、この言葉の解釈がどう物語の後半につながってくるのかが気になるところだ。マトリョーシカの後ろに飾られているこの言葉の意味を、今一度噛み締めてみると、物語の見え方が変わってくるのかもしれない。
■放送情報
金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:水川あさみ、玉山鉄二、丸山智己、和田正人、渡辺大、曽田陵介、渡辺いっけい、加藤雅也、筒井真理子、高岡早紀、櫻井翔
原作:早見和真『笑うマトリョーシカ』(文藝春秋)
脚本:いずみ吉紘、神田優
主題歌:由薫「Sunshade」(Polydor Records)
プロデューサー:橋本芙美
演出:岩田和行
編成:杉田彩佳
製作:共同テレビ、TBS
©︎TBS
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