『トイ・ストーリー』はアニメ映画を永遠に変えた! 28年前とは思えないCGのクオリティ
また、2007年に設立されたイルミネーションは、第1作『怪盗グルーの月泥棒』(2010年)でヒットを飛ばし、同作の人気キャラクターのスピンオフ『ミニオンズ』(2015年)も大好評となった。その後も『ペット』(2016年)、『SING/シング』(2018年)そして『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(2023年)と、こちらも多くの作品で高い評価を受けている。
このように、特にアメリカでは『トイ・ストーリー』以降、アニメ映画といえば3DCGが主流になった。2001年から設立されたアカデミー賞長編アニメ賞では、これまでの受賞作23作品のうち、2002年の『千と千尋の神隠し』や2022年の『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』、そして2023年の『君たちはどう生きるか』などを除く19作品がフルCGの作品であり、そのうち11作品がピクサー、4作品がディズニーによるものだ。
映像だけに頼らない物語の秀逸さ
『トイ・ストーリー』が熱狂的に受け入れられた理由は、もちろんその革新的なCGの映像にあるが、当時の技術の限界を踏まえたうえでの世界観の設定にもある。本作は「おもちゃ」の世界を舞台としていることが、勝因の1つとして挙げられるだろう。技術が進歩したといっても、当時CGでリアルな人間の質感を作ることは難しかった。しかし「おもちゃ」であれば、基本的にプラスチックや布の質感を表現できればいい。これによって映像の違和感で観客の注意力を削ぐことなく、物語をしっかりと伝えることができている。ウッディのバズに対する嫉妬と、ともに冒険をくり広げるうちに結ばれていく彼らの友情を描いたストーリーは、老若男女問わず楽しめる。『トイ・ストーリー』はアカデミー賞脚本賞にもノミネートされており、そのストーリーの面白さも、本作を不朽の名作たらしめている理由の1つだ。
革新的な3DCGの技術で、アニメ映画に革命をもたらした『トイ・ストーリー』。その原点である1作目は、公開から28年経った今観ても違和感のない映像で、おもちゃたちの生き生きとした冒険を届けてくれる。大人も子どもも楽しめる良質なエンターテインメントを、ぜひ感じてみてほしい。
■放送情報
『トイ・ストーリー』
日本テレビにて、7月26日(金)21:00~22:54放送 ※本編ノーカット
監督:ジョン・ラセター
製作総指揮:エドウィン・キャットマル、スティーヴ・ジョブス
製作:ラルフ・グッゲンハイム、ボニー・アーノルド
脚本:ジョス・ウィードン、アンドリュー・スタントン、ジョエル・コーエン、アレック・ソコロウ、ジョー・ランフト
原案:ピート・ドクター、ジョン・ラセター、ジョー・ランフト、アンドリュー・スタントン
アート・ディレクター:ラルフ・エッグルストン
作曲:ランディ・ニューマン
出演:ティム・アレン、トム・ハンクス、ドン・リックルズ、ジム・ヴァーニー、ウォーレス・ショーン、ジョン・ラッツェンバーガー、アニー・ポッツ、ジョン・モリス
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