『光る君へ』渡辺大知の行成が魅力的過ぎる 一条天皇の心を動かす説得力
渡辺はインタビューにて、この場面について「今まで一条天皇と道長さんの間でずっと揺れ続けていて、行成の思う政治だったり、行成の思う一条天皇の気持ちのくみ取り方だったり、それを押し殺しながら仕事をしてきたと思うんですけど」「一条天皇の気持ちがわかってしまうからこそ苦しいところもあったんですけど、それを自分の心を鬼にして、言わなければいけないところをことばにしたっていう感じですかね」と話している。
また、渡辺は行成を演じるうえで「行成は自分の主張よりも、道長さんの望みをかなえるためにはどう自分が動くべきかっていうことを考えていたり、一条天皇の気持ちをどうくみ取ってあげることができるかっていうことだったりを考えながら、政治の中で自分の役目を果たそうとしている人物だなと思っている」と語った。
渡辺は、行成が自分のことばを発する際、役職を全うするフィルターみたいなものをかけているイメージがある、ともコメントしている。そのイメージを意識してきたからこそ、一条天皇との場面では「(そのフィルターみたいなものから)解き放たれたような感じになったらいいなと思ってやっていましたね」と話した。渡辺が演じるうえで意識したところは、存分に効果を発揮していたように思う。行成らしい穏やかな佇まいはそのままに、普段とは少し異なる声色と厳しい面持ちで苦言を呈する行成は魅力的に映ったからだ。
行成が自分のことばで話す機会はそうそうないのかもしれないが、ぜひ今後も、渡辺が語った「役職を全うするフィルター」をかけていない行成の姿を見てみたい。
■放送情報
『光る君へ』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/ 翌週土曜13:05〜再放送
NHK BS・BSP4Kにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送
出演:吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、高杉真宙、吉田羊、高畑充希、町田啓太、玉置玲央、板谷由夏、ファーストサマーウイカ、高杉真宙、秋山竜次、三浦翔平、渡辺大知、本郷奏多、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
作:大石静
音楽:冬野ユミ
語り:伊東敏恵アナウンサー
制作統括:内田ゆき、松園武大
プロデューサー:大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー:川口俊介
演出:中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろうほか
写真提供=NHK