『さよならマエストロ』BD&DVDの特典映像は充実の内容 必見のディレクターズカット版も

『さよならマエストロ』特典映像は充実の内容

 2024年1月期に放送されたTBS日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』。西島秀俊演じる世界的天才指揮者の夏目俊平と、芦田愛菜演じる俊平の娘・響を中心に、音楽への情熱を通して、家族や仲間の絆を描いたヒューマンドラマだ。

 俊平と響の不器用な親子関係、そして俊平率いる市民オーケストラ「晴見フィルハーモニー」の存続の危機に毎週ハラハラさせられ、最後には思いきり涙させられた。

 そんな本作のBlu-ray&DVD-BOXが、7月12日にリリースされる。このパッケージに収録される本編の中で、第1・3・6・9・最終話はディレクターズカット版となっており、なんと合計30分以上もの未公開映像が追加されている。初めて『さよならマエストロ』を観る人、そして放送時にハマった人も改めて楽しめる内容だ。

 さらに、特典映像のボリュームが非常に大きいことも見逃せない。ドラマの撮影現場の裏側や、出演者の素顔などをたっぷりと堪能できる特典から分かる、本作の魅力を深掘りしてみよう。

 特典映像の中でも、初出しのメイキング「晴見フィル!ほのぼのダイアリー」は52分34秒もの大ボリューム。西島と芦田によるオープニングタイトルの撮影が微笑ましく、西島が食べようとした栗をこぼしてしまうという失敗をしても、そのシーンが採用されるなど、臨機応変に撮影が進んでいくのを見ることができる。

 「晴見フィルハーモニー」の楽団メンバーを演じる俳優たちは、カメラが回っていない時、顔を合わせるたびに音楽トークを繰り広げたり、一人一人すきあらば練習したりなど、真摯に音楽に向き合う姿が映し出される。フルート奏者の倉科瑠李役の新木優子は、フルートが憧れの楽器だったそうだが、監修・指導の先生から演奏を大絶賛され、笑顔を見せる。

 一方、指揮者に興味を持つ高校生・谷崎天音役の當真あみは、実際はバイオリンが得意だが、わざと下手に弾くという初心者演技を披露。そんな當真は、芦田とは本作が3回目の共演。芦田を「お姉さんみたいな存在」と語り、慕っている様子に心が和む。

 また、俊平の元マネージャー・鏑木晃一役の満島真之介は、撮影中もカットがかかってもいつでも元気で、トランペット奏者・森大輝役の宮沢氷魚が思わず笑ってしまう1コマも。宮沢は、大輝の祖父・小村二朗役の西田敏行の茶目っ気あふれるアドリブにも笑わされていた。映画『マエストロ!』で指揮者を演じた西田が、西島と「運命」の指揮について、お喋りしているのも面白い。キラキラした目で盛り上がる西島の表情が印象的だ。

 本作の大きな見どころの1つとなった「運命」の演奏シーンは、西島をはじめ楽団員のみんなが緊張しつつ、どの曲よりも練習を重ね、ほぼ1日をかけて撮影が行われた。その模様も、たっぷりと見ることができる。

 数々のコミカルシーンもあった『さよならマエストロ』。最もアドリブが多かったのは、楽団の団長でファゴット奏者・古谷悟史役の玉山鉄二だという。これまでニヒルな役が多かった玉山が繰り出す、アドリブの数々が可笑しい。

 さらに宮沢と、チェリスト・羽野蓮役の佐藤緋美はもともと友人同士で、語学が堪能な2人が、カメラが回っていない時に、英語でコミュニケーションするところが見られるのも貴重だ。

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