平埜生成、『虎に翼』でどんな“翼”を広げるか 『カムカム』に続き“温もり”を与える存在に?

平埜生成が『虎に翼』で広げる“翼”とは?

 『カムカム』の愛称で親しまれた同作は、100年にわたる母娘3代の物語を描いたドラマだった。令和に誕生した名作といっていいだろう。平埜が演じた榊原誠は3人目のヒロイン・ひなた(川栄李奈)のパートで登場し、「仕事」や「恋愛」をテーマにしたサイドストーリーを展開させた。ここで平埜が体現していたのは、榊原の持つ“優しさ”と“誠実さ”。彼とヒロインの温かな共闘ぶりに、お茶の間にいるこちらまで胸が温かいもので満たされたのを覚えている。いや、正確にいえばあの温もりはまだ残っている。だから『虎に翼』の汐見にも、そのような役どころを期待してしまうのだ。

『カムカムエヴリバディ』の世界に馴染む平埜生成 “いい人”だけど優柔不断の榊原

『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)ではひなた(川栄李奈)が映画村で働き始めてから、10年以上が経過した。相変わらずひなたは明…

 本作の公式ガイド『連続テレビ小説 虎に翼 Part1』(NHK出版)にて平埜は出演に際し、「この作品に出てくる人たちは、みんな『翼』を持っていると思います。愛という翼、夢という翼、法律という翼、性別という翼……。脚本を読みながら、そんな『翼』について考えていました! ぼくの演じる汐見さんは、どんな『翼』を広げるのでしょうか!」とコメントしている。短いものではあるが、作品に対する彼の客観的な視点が感じられる。脚本の読み方は演じ手それぞれだというが、キャラクターの個性を“翼”だと解釈することでこそ見えてくる作品像というのもあるのだろう。

 小林薫、木場勝己、さらには滝藤賢一、平田満といった演劇畑で俳優のキャリアをスタートさせたベテラン勢が繰り出すハイレベルなパフォーマンスを前に、若き演技者・平埜生成はどう立ち向かうのだろうか。『カムカム』以降、戸塚純貴と共演した『VAMP SHOW ヴァンプショウ』(2022年)をはじめ、今年は主演作『兵卒タナカ』や『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』など、平埜もコンスタントに舞台に立ち続けている。彼が先輩たちの前で広げてみえる“翼”とは、いったいどんな色の形をしたものなのだろうか。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、石田ゆり子、岡部たかし、仲野太賀、森田望智、上川周作、土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、ハ・ヨンス、岩田剛典、戸塚純貴、松山ケンイチ、小林薫
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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