『366日』HYの楽曲をなぜタイトルに? 狩野雄太P「要素が合わさってできている」
キャラクターには『あの花』からの影響も?
――メインキャストの皆さんのお芝居についてはいかがですか?
狩野:皆さん真剣に考えながらお芝居をしてくれていて、ト書き一つも漏らさない迫力があります。ちょっと話しかけづらいくらい本気になる瞬間もあって。広瀬さんは現場でも「366日」を聴いて気持ちを作っていますし、郷敦さんもめちゃくちゃ本を読み込んでお芝居を作ってくれています。目線一つ取ってもどういう理解で芝居してくれたのかが伝わってきます。坂東(龍汰)さんは明るいキャラクターなので地に近いのかなというところもありながら、締めるところは締めるようなお芝居をしてくれています。長濱(ねる)さんは自分の演技はこれでいいのだろうかと考えてお芝居をしているので、どんどん上手くなっていて、最初に会った頃と全然顔つきが違うなと。綱(啓永)さんは第3話の泣き芝居が凄すぎて、普段話している時とのギャップに驚きました。
――5人のキャラクターの中に意識してグラデーションをつけているということは?
狩野:一応、考えています。太陽みたいな遥斗がいたり、遥斗とは違う意味で周りを明るくする智也(坂東龍汰)がいる。智也は当初は実はジャイアンみたいなイメージでした。和樹(綱啓永)は、最初は天才肌の男の子みたいな表現をしてみたり。5人が被らないようにすごく考えました。『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(以下、『あの花』)の実写版にも携わったのですが、こちらの6人のキャラクターとかが好きだったことも影響しているかもしれません。
――私は「366日」世代ですが、『あの花』も当時話題になっていたのを覚えています。
狩野:『366日』はいろんな好きなものの要素が合わさってできている側面もあります。劇伴も、『あの花』の音楽を担当していたREMEDIOSさんにお願いしています。『あの花』以外にも、『白線流し』、『あすなろ白書』、『若者のすべて』のような往年のフジテレビドラマや群像劇、もちろん映画なども含め、いろんな作品を参考にしています。
「茨城の龍ヶ崎や土浦にシナハン(台本を書くための取材)に行きました」
――舞台設定はどのように決めましたか?
狩野:今年は2月29日があるから366日あることなどを加味して、12年間の話をやろうと思いました。しかし高校時代、大学時代、社会人ごとに描いていくと、登場人物が増えすぎてしまって感情を乗せることができないので、高校と現代で切り分けて考えることにしたんです。脚本の清水さんとも相談して、舞台は龍ケ崎にしました。龍ケ崎は自分が高校時代、何回か行くことがあったので、個人的な思い出を乗せているというところが大きいです。
――回想シーンでは、自転車通学、野球部、ブラスバンドなどの「恋愛あるある」がたくさん登場します。リアルな青春シーンはどこから着想を得たのでしょうか?
狩野:実際に茨城の龍ヶ崎や土浦にシナハン(台本を書くための取材)に行きました。そこで見た風景をイメージして「田んぼ道とかあぜ道を自転車でバーッと走ったらグッとくるよね」とか、「野球部とサッカー部だったらやっぱり野球部かな」とか、そんな感じで一つ一つ決めていきました。ブラスバンドは脚本の清水さんが音楽好きなことも影響しているかなと思います。
――映像が綺麗なことも話題になっています。
狩野:それはスタッフのみんなが本当に頑張ってくれているおかげです。カメラマンと照明は、普段映画やCMを方々だからか、ハイクオリティな映像を作り上げて下さっています。
――他にもこだわって制作しているポイントがあれば教えてください。
狩野:第1話の回想シーンで「スカイツリーをでデートの約束をする」というシーンがあるのですが、竣工日が2012年2月29日だったので、場所をスカイツリーにしました。また、現代パートは2023年から始まっているので、ドラマはこのあとうるう年である2024年2月29日を踏むことになります。その日に何が起きるかに注目していただきたいです。
――最後に今後の見どころを教えてください。
狩野:前半は割と人間ドラマ的な要素が強かったかなと思いますが、今後は驚きがありながらも、無理のない形で2人の恋が二転三転していくのが一番面白いところだと思います。よりラブストーリーっぽさが増しますので楽しみにしてください。智也、莉子、和樹らにもいろいろな転機が訪れるので、そこにも注目していただければと思います。
■放送情報
『366日』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:広瀬アリス、眞栄田郷敦、坂東龍汰、長濱ねる、綱啓永、夏子、中田青渚、中沢元紀、清乃あさ姫、和久井映見、前田公輝、戸田菜穂、北村一輝
演出:平川雄一朗
脚本:清水友佳子
プロデュース:狩野雄太
主題歌:HY「366日」
制作協力:AOI Pro.
制作・著作:フジテレビ
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