『虎に翼』寅子がよねに怒られた“理不尽”の背景 「魔女部!」と蔑まれ考える“法律とは”
これが現実だと言わんばかりの地獄を見せられ、言葉を失う二期生たち。寅子は自分が何とかしなければという使命感に駆られたのだろう。自己紹介も兼ねて歌を披露し始めるが、その気遣いが逆によねの怒りを買ってしまう。
「ヘラヘラしてうっとおしい。お前みたいなのがいるから女はいつまでも舐められるんだよ!」と凄まれ、思わず尻餅をつく寅子。最初は唖然としていたが、法律のことなんて何にもわかっていないと言われてカチンときた寅子は「法律とは私たちが守らない規則で……」と反論する。だが、最後まで言い終わる前に「法律を校則か何かと思ってんの?」と追求されて言葉を失ってしまった。
よねの言葉が頭から離れず、先輩たちの法廷劇にも集中できなかった寅子。法律とは? はて? そんな疑問でいっぱいの寅子にヒントを与えるのは、司法浪人生活2年目に突入した優三(仲野太賀)の「法律とは自分なりの解釈を得ていくもの」という言葉だ。よく「法学に正解はない」と言われ、条文の解釈も人によって異なる。学びに終わりはない。この第2週は、寅子がそんな法学の大前提を知る週となるのではないか。
最悪の出会いとなってしまった寅子とよねの関係性の変化も気になるところ。一見するとよねの寅子に対する振る舞いは理不尽極まりないが、彼女もこれまで女性であるという理由で散々理不尽な目に遭ってきたのではないだろうか。よねの表情や言葉の端々からは、そんな痛みがひしひしと伝わってくる。当時としては珍しいパンツスーツも、彼女にとっては男性に舐められないための鎧なのかもしれない。女性の社会進出を強く願う気持ちは寅子も同じだと気づけば、手を取り合うこともできる気がするが、果たして。
🐯 #トラつばプレイバック 🪽
校舎で迷子になった寅子が話しかけた男装の女性。
思わず寅子が「水の江瀧子みたい!」と反応した #水の江瀧子 さんは、実在した人物です。
戦前の国民的スターで、「男装の麗人」として活躍しました✨#朝ドラ #虎に翼#土居志央梨 pic.twitter.com/g3HGZAjlA2— 朝ドラ「虎に翼」公式 (@asadora_nhk) April 7, 2024
■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、石田ゆり子、岡部たかし、仲野太賀、森田望智、上川周作、土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、ハ・ヨンス、岩田剛典、戸塚純貴、松山ケンイチ、小林薫
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK